シスターの告白 ページ33
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｢Aもラムダにいたのか？｣
レイの言葉にAは顔を歪め、言わなければと思って、立ち上がりレイを見据える。
｢そう。ラムダにいたのを僕と一緒に脱獄したんだ｣
｢ノーマン･･･｣
言いかけたAより早くノーマンが口を挟む。
まるで、言わなくていいとでも伝えるように。
｢ね、A｣
庇うようなノーマンの微笑みと、納得していないような表情のレイが視界に入って戸惑う。
一瞬だけ悩んでAは口を開いた。
｢違うの｣
｢A･･･｣
｢ありがとうノーマン。でも、家族には本当のことを話したい｣
囲まれていた輪から抜け出して、全員を見た。
｢エマは新しい家族が増えたのね｣
｢うん、そうだよ！｣
｢先に、謝らせてね。ごめんね、私みんなの敵だったのよ｣
そう言ってAは、シスター服のフロントボタンを胸元が見えるまで開けた。
そこにある手術跡に見覚えのあるエマ、ギルダとドンが表情を変える。
その他は、ノーマンと同じ位置にあるはずのラムダの刻印が無いことを不思議がっていた。
｢私、ハウスが農園だって知ってた。知ってて、ママの言うことを聞いていい子でいて、出荷されていく子達を見送ってたの｣
ボタンを閉じながら、震える声でゆっくりとAは喋り続ける。
｢ママとの約束で私は出荷された。でもラムダじゃない。本部にあるシスター養成学校へ。エマはこの傷の意味分かるんだよね？｣
戸惑いながらエマが頷く。
以前ノーマンに聞いた話では、GFに来ていたシスターのものを見たと話してくれたのをAは覚えていた。
｢そこでシスターになった私に里親候補が現れた。それがピーター・ラートリー｣
全員の間に張り詰めた空気が流れるのがAにも分かる。
それでも気丈に振る舞えるように、Aは一旦目を閉じた。
｢彼に発信器を外してもらった私はラムダで研究の助手をしていたの。アダムはまだ私のことを覚えてるかしら？｣
アダムが頷いて、一瞬嬉しそうにAは微笑んだ。
｢アダムのおかげでノーマンがラムダにいることを知ったわ。再会出来たけれど、脱獄するつもりは無かった。どんな形でも私は敵側にいたから、一緒には行けないって思って･･･｣
｢僕が無理矢理連れ出したんだ｣
ノーマンが穏やかな口調で口を挟む。
Aは泣きそうな顔で微笑んだ。
｢ノーマンが私を救ってくれたの｣
誰一人言葉を発しようとしない。
静かな空間がそこにはあった。
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
