割と独占欲強い方なんで ページ27
.
ヴィンセントから、もう大丈夫と言われてAはやっとアジトの全貌を確認出来た。
大広間から上を見上げて、Aは感動している。
｢すごい！ここならどれだけ子ども達が来ても大丈夫ね！｣
｢そうでしょ？喜んでもらえてよかった｣
｢こんなとこがあったなんて･･･｣
｢Aには、今から増える子達の生活の手伝いを頼みたい｣
Aは戦闘向きではないだろうし、それよりも養成学校での経験を活かしてここに留まってもらってた方がノーマンも安心だ。
｢シスターがいた方が、子ども達も安心するだろう？｣
｢私に出来ることなら何だってするわ、ボス｣
｢･･･Aまでボスって言うの？｣
思いっきり不満そうなノーマンの顔に、思わずAは笑ってしまう。
｢私だけノーマン、って言うわけにはいかないもの。皆の前ではボスの方が都合がいいでしょ？｣
｢でも僕はノーマンだ！｣
｢知ってる｣
まだ可笑しそうにAは笑いながら、ノーマンの手を握った。
｢ボスは皆のボス。2人きりの時はノーマンって呼ぶわ。それじゃダメ？｣
Aのお願いを断れるはずもない。
やっぱりこういうことはAの方が上手だなぁ、とノーマンは思った。
｢公私混同には反対派なのよ｣
｢分かったよ｣
｢だから会議の時も、そのちょっとユルっとした空気出さないでね。シスロとバーバラがいちいち煩くて話が進まないから｣
｢･･･分かった｣
｢ボスらしく、シャキッとキリッとしてね｣
今日の朝イチで、明日からの動きを全員に伝える場で、ノーマンに微笑みかけられるたびに｢ヒューヒュー｣と冷やかしてくるシスロとバーバラがAは鬱陶しかったのだ。
大事な話をしてるはずなのに緊張感も何もあったもんじゃない。
Aの有無を言わせない微笑みにノーマンも何も言い返せなかった。
Aは裏ボスだ、と密かに思った。
｢Aが起きない間に勝手に部屋まで決めたんだけど、Aは僕と同じ部屋ね｣
｢え？私皆と一緒でいいのに。シスターなら子供たちと寝てもいいでしょ？｣
｢ダメ、僕と同じ。これはボス命令｣
上層部まで移動して、ノーマンの部屋まで行く。
書斎を通り抜け、寝室に行くとAは目を見開いた。
｢ノーマン、ベッドひとつしかないけど･･･｣
｢2つ置くと狭いじゃない？｣
｢じゃあやっぱり別の部屋･･･｣
｢ボス命令だけど、逆らう気？｣
｢･･･職権乱用って言うのよ｣
ノーマンの笑顔にAはそれ以上言うのをやめた。
20190615
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
