好きなヤツ ページ2
.
｢レイ｣
呼ばれて本から顔を上げるとノーマンがいた。
｢･･･説教ならやめろよ｣
｢まさか｣
おどけた風にノーマンは笑って、レイの隣に座る。
さっきまでAがいた場所だった。
｢何でケンカになったの？｣
｢･･･ケンカにもなんねぇよ｣
誰と、なんて聞かなくてもAとのことだと分かった。珍しく拗ねたような表情をしたレイに、ノーマンは苦笑する。
｢レイはさ、Aが好きなの？｣
｢は？｣
｢僕、Aに告白してもいいかな｣
｢･･･いいんじゃねぇの｣
｢レイもAが好きなら、言っちゃえば｣
｢はぁ!?｣
説教しにきたのかと思ったら、恋バナを始めたノーマンに一段と大きい声が出た。
｢Aも行っちゃうんだね｣
｢･･･そうだな｣
｢寂しいな｣
ノーマンの視線の先には、こちらに向かってくるAとエマの姿が見える。
Aの長いプラチナブロンドの髪が、風に揺られながら近づく。
可愛い、よりは綺麗の方が似合う。
くりっとした大きな瞳も、よく笑う口元も、たまに口ずさむ鼻歌も、本のページをめくる指先までレイは好きだった。
ノーマンを見つめるAでさえも、綺麗だと思っていた。
｢ノーマン、レイとの話は終わった？｣
｢あぁ、うん。終わったよ、A｣
｢じゃあ4人で遊ぼう！もうAと遊ぶの明日が最後だし！｣
｢悪ぃエマ、A借りていく｣
｢えぇ！｣
｢まぁまぁ、仲直りが先だよ。まだ明日もあるんだし｣
不満げなエマにノーマンが言うと、納得したようだったが、ありがたいと思った。
どこか、人に聞かれないで話せる場所と思って、そのまま木の上に登る。
太い枝は、Aとレイが座っても何の問題も無かった。
｢その、里親のことよかったな。Aなら、どこでだって上手くやれるよ｣
おめでとう、とはとても言えなかった。
風に揺れて重なる葉音は思ったよりも大きくて、絞るようにして出されたレイの声もかき消されそうになる。
｢そんなこと言わせて、ごめんね｣
｢A？｣
｢レイも知ってるんでしょ｣
Aが何を言いたいのかを理解して、レイの思考が止まる。
｢あれ？それを確認したくてこんな場所選んだんじゃないの？｣
｢ちょ、待て･･･。色々追いつかねぇ｣
｢私知ってるから、大丈夫。明日みんなと別れてからのことも｣
目の前で微笑むAに、レイはしばらく声も出なかった。
｢いつ、から？｣
｢9歳の時に｣
｢何で･･･？｣
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
