-Anemone-Ⅰ (ページ20)

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Aside

事件は呪文学の授業で起きた。

いつものようにハーマイオニーと隣の席になり授業を受けていたが、ハーマイオニー越しに見える赤毛くんの視線が気になって仕方がなかった。

ﾛﾝ「ウィンガーディアム・レビオサー」

ﾊｰ「ちょっとストップ！ストーップ！そんなに振り回したら危ないでしょ！呪文も違ってる！」

ﾛﾝ「そんなに言うならやってみろよ」

ﾊｰ「いいわ。ウィンガーディアム・レビオーサ」

ハーマイオニーが唱えると羽根はふわふわと宙を舞った。

“ハーマイオニー、あなたってすごいわ。”

ﾊｰ「ありがとう、A。」

声が出ない私は呪文学に自信がなく、声が出るようになった時の為に先生の言うことをメモに取った。

ハーマイオニーと授業の話をしながら廊下を歩いていると、赤毛くんとポッターくんが前を歩いていた。

ﾛﾝ「あなたのはレビオサー！嫌味な奴。そんなんだから友達少ないんだよ。そのお友達も声が出せない、呪われた変な奴だしさ。」

声が出せない、呪われた変な奴。

私のことだ。

ロンに好かれてはいないとわかっていたが、悪口まで言われてるなんて思っていなかった。

私がいるせいでハーマイオニーまで変な子だと思われてしまっているのかもしれない。

そう思ったAは、ハーマイオニーを置いて走って行ってしまった。

ﾛﾝ「今の聞こえてたのかな？」

ﾊﾘ「そうみたい」

ﾊｰ「あなたたち最低よ！Aがどれだけ悩んでるのかわからないくせに！」

そう怒鳴ったハーマイオニーはAを追いかけた