天堂光輝の妹は京極竜に恋をした【PRINCE OF LEGEND】 (ページ38)

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第21話お兄ちゃんな竜① ページ38

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竜が行ってしまったあと、私は尊人と帰途についた。

『竜......なんか様子が変じゃなかった？』

尊人｢あれは、間違いなくラブレターだな｣

『それにしては、表情が険しかった気がするけど......』

尊人｢あいつ、あんまり免疫ねぇから緊張してんだよ｣

その時、尊人のスマホが鳴った。

尊人｢もしもし、母ちゃん？なんか用か？......ん、豚バラ500ｇとキャベツ？わかった｣

『お母さん......？』

尊人｢ああ、俺スーパーに寄ってくから、こっち行くな。じゃあ！｣

『うん、また明日』

尊人と別れて歩き出したものの、私はいてもたってもいられず、急いで竜が歩いて行った方向へ足を進めた。

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『(おかしいな......まだそんなに遠くへは行ってないと思うんだけど......)』

辺りを見回しながら早足で歩いていると、公園のベンチに竜を見つけた。

『(いた......！)』

竜は深刻な顔でポケットからクシャクシャの紙を取り出すと、それを広げた。

『竜......！』

私が声をかけると、ビクッとしたように顔を上げる。

竜｢お前......なんでここに......｣

『竜の様子が変だったから、追いかけて来たの。ねぇ、何かあったの？』

竜｢......Aには、関係ねぇだろ｣

『！......っ、』

その時私は、竜が手に持っている紙に『果たし状』と書かれているのに気付いた。

『それ......』

竜はハッとしたように、その紙を後ろ手に隠した。

『もしかして、この間絡んできた人たちに呼び出されたの？』

竜｢......｣

どうやら図星だったようで、竜は黙って目を伏せる。

『そんなの、行かなきゃいいじゃない！』

竜｢そういうわけにはいかねぇんだ｣

『向こうは大勢なんでしょ？ひとりで行くなんて無理だよ！せめて尊人に言って......』

竜｢ダメだ！......兄貴は明日大事なテストなんだ。絶対に言うんじゃねぇぞ！！｣

『......』

竜｢心配すんな。俺ひとりできっちりケリつけてくるからよ｣

『でも......！』

竜は私が止めるも聞かず、そのまま行ってしまった。

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