天堂光輝の妹は京極竜に恋をした【PRINCE OF LEGEND】 (ページ1)

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第1話ブランキーなヤンキー弟① ページ1

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私の名前は天堂A。
聖ブリリアント学園に通うエコノミークラスの生徒。
そして同時にTEAMネクストに所属する兄、天堂光輝の妹。

妹と言っても産まれた年は一緒で、単純にどっちが先に産まれたかで上と下が決まった感じ。
だからほぼ双子みたいなもの。

『よし、帰るか』

空がもう綺麗なオレンジ色に染まる中、週直の仕事を終えた私は鞄を持って教室を出る。

お兄ちゃん達はまだ屋上でダンスの練習をしてるかな......。

ふらふらと中庭へ出て来ると、こちらに向かって歩いて来た男子生徒と目が合った。

｢......｣

あれは確か......、京極竜。
つい最近エコノミークラスに編入してきた、京極兄弟の弟の方だ。

喧嘩をしてきたようで、制服が砂埃にまみれてところどころ真っ白になっている。

兄弟揃ってバリバリのヤンキーって噂もあるし、あんまり近づかないでおこう......。

が、しかし......

竜｢おい！｣

『わっ、な、何ですか......？』

竜｢あんた、兄貴見なかったか？｣

『いえ、見てないですけど......』

竜｢おっかしーなー。すぐ戻るって言ってたのに......｣

どうやら喧嘩を終えて、別々に戻って来たらしい。

『じゃあ私はこれで......』

そのまま行き過ぎようとした時、私は彼の学ランのボタンがひとつ取れかかっていることに気づいた。

あ......どうしよう。
教えてあげた方がいいかな。

すると京極弟がギロッと私を睨む。

竜｢......何ジロジロ見てんだよ｣

ひぃーっ、怖いな、ヤンキーは。

『いえ......あの、ボタンが取れかかってますよ......』

竜｢ん......？あ、これか。
はぁ、また母ちゃんに怒られちまうな｣

"母ちゃん"・・・なんか可愛い。

『私がつけてあげようか？』

竜｢え......？｣

あ、余計だったかな......。

『ごめん。つい気になっちゃっただけなので。......失礼します！』

急いでその場を立ち去ろうとしたその時。

竜｢おい！｣

と手を引かれる。

振り返って見上げると、彼の顔が近くにあって。

竜｢付けてくれんだろ？ボタン｣

『あ、うん』

竜｢サンキュー！助かる。母ちゃんに怒られずに済むわ｣

『ふふ』

心底ホっとする彼につい笑ってしまう。

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