バーボンの仕事 ページ32
※参考にした国はありますが、あくまで私の作った造作です。
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貴方side
「この国は、石油や天然ガスの埋蔵量が大きいことから、隣国に次ぎ世界経済において重要な地でもあります。」
車の中(さすがに白のスポーツカーではない)で王子様から説明されたのは、この国の内情と自分の任務内容だった。
王子様は、食料や車を動かす燃料などの生活物資を裏から彼らに回す、グレーでいて善人な貿易商としてここで暮してるらしい。
だが実際は、混乱に紛れてこの国に眠っている化石燃料を安価で手に入れる為に、ここら一体の人々の信用を得るのが、組織での王子様の仕事
革命軍の戦力は、国軍が手を出せないほどに強固。
そんな所で突然採掘など始まれば、ものの数日で施設は壊されてしまうだろう。
『人々の信頼を得るのは必要不可欠ってわけですね。成功すれば大きなリターンが望める。』
「そういうことです。…国の中でもここは歴史的な遺構が多い地。Aさんと一緒に観光でもしたい所ですが…残念ながらそんな時間も作れそうにありません。」
『何かあったんですか?』
「近々、革命軍と国軍との衝突が起こります。」
『成る程、だから私がここに呼ばれたんですね。』
私は納得したが、王子様の表情はどこか浮かばない。
「これから始まるのは、戦争です。外国人である僕らが戦場へ足を踏み入れることはありませんが、危険なのは変わりありません。それに…多くの人間が死ぬ。」
『なら、守ってください。私はこんな所で死にたくはありません。』
「守りますよ。僕が死なない程度には、ですがね。」
冗談でも「命に変えても」だなんて無責任なことを言わない、王子様のそういう所が一緒にいて気が楽だ。
多くの人間の死については、あえて何も言わなかった。
言ってしまえば、本音が口から出てしまいそうだったから。
私は組織に入ってから、多くの人の死の瞬間を見てきた。
けれど、未だにそれには慣れてはいない。
こんな仕事…
本当はしたくはなかったのが本音だ。
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仮面タロウ(プロフ) - 作者の仮面タロウです。たくさんのコメントありがとうございました!長い間返信しきれずすみません。実は私のうっかりで占ツクにログインできなくなってしまい更新出来ずにいました。移行にご不便かけますがよろしくお願いします。 (2022年4月25日 12時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - 続きが気になりすぎます、!待ってます (2022年4月1日 1時) (レス) @page33 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 仮面タロウさんのお話、めちゃくちゃ面白くて大好きです!特に好きなのは工藤姉は弟が嫌い!シリーズとミスポッターシリーズです。更新頑張ってください‼︎ (2021年12月31日 23時) (レス) @page33 id: cf1d4c666e (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
心夜 - ハリー・ポッターだけでなく名探偵コナンの夢小説まで書けるとは。素晴らしいです!どちらも大好きなので無理せず書いて頂いたら嬉しいです! (2021年2月17日 21時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2019年11月27日 18時