ボスからの指名 ページ21
貴方side
ヘリの中にあった煙草を拝借し、
味わうように煙を吐き出す兄さん。
遭難していたこの5日間、ヘビースモーカーからしたら地獄のような日々だっただろうな…
「なんでテメェがここに居るんだ。ベルモット」
「あら、折角ここまで迎えに来てあげたのに随分じゃない。嫌ならまた戻ってもいいのよ?」
『ここまで助けに来てくれてありがとうございます。ヘリから見下ろすベル姉さん最高にカッコ良かったです。というか救いの神に見えました。だから私は下さないで』
「A、テメェは黙ってろ。」
ここまで来てまた山小屋に逆戻りなんて絶対嫌だ。
必死な私の形相にベルは「そんなに嫌だったのね…」と同情された。
「仕事が入ったから迎えに来たのよ。…それもボス直々の」
「ボスが兄貴にですかい?」
「今回はアナタじゃないわ。ボスが指名したのは私と…A、アナタよ」
『っえ、』
「Aが?」
「A、喜びなさい。憎き男を抹殺できる機会をボス自ら与えてくれたのだから…」
『……わぁお』
組織では、NOCバレたライが宮野明美と共に駆け落ち逃亡した事になっている。
なので私の立場は、組織から見れば“ライに利用され捨てられた女”
ボスがそこの所に気を遣ってくれたのなら、正直ありがた迷惑だ。
「あの野郎を殺るんなら、俺も行かせろ。」
「ダメよ。ボスは私とAをご指名なの。」
「ッチ、」
『私は分かるけど…なんでジンさんじゃなくてベルがライ討伐に指名されたんですか?』
ベルは諜報や暗殺を専門としているが、戦闘員ではない。
仮にも組織の戦闘で活躍していたライの討伐に、何の因縁も無いベルを当てがうメリットが私には分からなかった。
「少し、勝手が過ぎたのよ。」
『勝手…ですか。』
「……要は組織への忠誠心を試されてるってワケ」
なるほど
その勝手というのは何か聞かないでおこ
兄さんは少し不満げな顔をしながら
2本目の煙草に火を付けた。
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仮面タロウ(プロフ) - 作者の仮面タロウです。たくさんのコメントありがとうございました!長い間返信しきれずすみません。実は私のうっかりで占ツクにログインできなくなってしまい更新出来ずにいました。移行にご不便かけますがよろしくお願いします。 (2022年4月25日 12時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - 続きが気になりすぎます、!待ってます (2022年4月1日 1時) (レス) @page33 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 仮面タロウさんのお話、めちゃくちゃ面白くて大好きです!特に好きなのは工藤姉は弟が嫌い!シリーズとミスポッターシリーズです。更新頑張ってください‼︎ (2021年12月31日 23時) (レス) @page33 id: cf1d4c666e (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2021年5月4日 20時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
心夜 - ハリー・ポッターだけでなく名探偵コナンの夢小説まで書けるとは。素晴らしいです!どちらも大好きなので無理せず書いて頂いたら嬉しいです! (2021年2月17日 21時) (レス) id: d958da9fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2019年11月27日 18時