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102_ユダの接吻 ページ10

ジンside



結局、少女は弾が無くなるまで撃ち続けた。



だがスコッチは──無傷だった。



少女は、体に触れるか触れないかのギリギリの所を撃ち抜いてみせたのだ。

スコッチは撃たれている刹那、自分の死を覚悟しただろう。


銃に慣れていない筈の、それも筋力の少ない女が連射なんてすれば、照準はブレ必ず予期せぬ所に着弾する。

いわば、死のルーレットだ。

その絶望、恐怖は堪え難い。


そんなスコッチの絶望した顔を見たアイツは…



「……ッフ」



笑った

笑っていたのだ



「ックク!最高だA!!」



ベルモットじゃねェが、あれの笑いは演技じゃない、素で出たものだと分かる。



「生還できて良かったなァ?スコッチ。どうだった?自分が守ろうとしていた人間に絶望へと叩きつけられた感想はよ…ックク」

「……ッぐ!!」



突然スコッチが苦しみ悶え、その場にうずくまった。



「……え」

「ッ!?」

「ッチ、毒か」



どうやらスコッチは事前に毒物を服用していたらしい。

ライが吐き出させようとするが、苦しみ出してから暫くしてヤツは動かなくなった。

バーボンがスコッチの脈を確認したが…



「……死、んでます。」



呼吸と脈は確認できなかった。














バーボンside



『なんか、平和だなぁって。』



僕のアイスコーヒーを飲みながら、拉致した実行犯のひとりだった自分に対して、安心しきったような顔で呟いた少女。

降谷零(バーボン)の心中は複雑だった。

犯罪組織直営の医療施設であるこの場所は、平和とは程遠く、だが少女や自分にとっても、ここが心を落ち着かせられる唯一の場所でもあった。



『バーボンさんやスコッチさんと居ると、安心できるんです。』



普段の何気ない言葉のひとつひとつが、平和のために悪事に手を染める矛盾を持つ、僕やヒロにとっての救いとなっていた。

お互いを疑い警戒することない3人だったからこそ、食卓を囲むあの時間があんなにも平穏で温かかったのだ。




その“平穏”が、“日常”が、この短い間で彼女と培ってきた何かが、彼女の手によって僕の中で崩れていくのを感じた。



「……死、んでます。」



ヒロの心臓は、止まっていた。

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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね!!!夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました!いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……!!!!休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます!そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう(笑)続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…!ありがとうございます!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます!現在元気に3股してます!笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ!!完結まで私はこの作品を推し続けます!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2022年6月28日 12時

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