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No side
絶世の美女、ベルモット
女優として、美貌、実力ともに名を馳せ、さらに彼女は賢く聡明だった。
そんな彼女に盲目的になる男も少なくない。
彼女のさりげない一言に、男たちが貢物を持ってくるという事はざらにあった。
そうでなくとも、彼女の裏の顔を知る者達は、利用価値のあるベルモットを懐に収めようと、虎視眈々と狙う者ばかり。
周りにいる取り巻きのような女達も、彼女の恩恵に与ろうとするハイエナのような者がほとんど。
だがAにいたっては、どの人間とも当てはまらなかった。
「…あら?」
バスルームに入れば残りわずかとなっていたヘアケア類が補充されており、出れば冷えたシャンパンが準備されていた。
そのシャンパンとグラスの置かれたテーブルで、カルバドスとAがトランプゲームをしている。
「べ、ベルモット…!!」
「カルバドスも来てたのね。」
バスローブ姿に顔を真っ赤にして目を背けたカルバドスに、まんざらでもなさそうにベルモットはひとりがけのソファーへ腰掛ける。
そんな2人をAはニヤニヤしながら眺めていた。
「何よその顔。」
「なんでもないです〜。」
まぁいいわ、とグラスを手に持ったベルモット。
未だモジモジとしているカルバドスに代わり、Aがシャンパンを注ぐ。
「無償の行使なんて流石ね。どんな下心があるのかしら?」
「色んな角度から放射線撮影もできて、大柄な体格の人でも対応可能な手術台が欲しいですね。」
「なんでシャンプーとシャンパンが高級車一台分の値段に化けるのよ。」
呆れるベルモットに、シャンプー代は組織経費で落としちゃいました☆とウィンクするAにため息が溢れた。
彼女は自分に対して、恩着せがましくなくフランクに接する。
自分より地位も年齢も低く、何よりも
だからこうして、ベルモットのセーフティーハウスに招かれる希少な人間のひとりでもある。
「シャンパンは俺の自腹だ!調子乗るなよA!!」
「準備したのは私です〜。はい、あがり。」
「ああ!?卑怯だぞ!!!」
「っふふ、バカねぇ」
ベルモットにとって、カルバドスとAと過ごす時間は、嫌いじゃなかった。
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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね!!!夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました!いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……!!!!休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます!そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう(笑)続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…!ありがとうございます!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます!現在元気に3股してます!笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ!!完結まで私はこの作品を推し続けます!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2022年6月28日 12時