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Aside
その後も、ジンさんと同じようなペースで絵を見ることとなった。
側から見れば、2人で絵を見に来たように見えるかもだけど、この美術館に来たのも絵にかける時間も全て偶然の産物。
私ももう半ば諦め、2人で来たていで絵を眺めていた。
そんな時、またも同時に同じ絵の前で止まった。
この絵…
「居心地が悪りィ絵だな。」
「…ですよね。」
配色、構図共に違和感がある油絵だった。
感覚的に言うと不協和音のする絵
「でも…それがクセになりそう。」
それを聞いたジンさんは、どこか満足そうに鼻で笑った。
結局、美術館内で会話したのはこの一度きりだった。
「お前、足は」
「えーと、歩行には問題ありませんが、完治には後1ヶ月はかかりますかね…」
「俺が踏み砕いた方の足じゃねェ。お前の移動手段だ。」
「あぁ、勘違いしてすみません。電車とバスでここまで来ました。」
私の答えに、愛車を前に顎で「乗れ」と合図をしたジンさん。
運転席に乗りこもうとすれば、私の腕を掴まれ止められてしまった。
え、乗せてくれるんじゃないの？
「お前はこっちだ。」
「ケガしたのは左足なので運転できますけと…？」
「二度も言わせるな。助手席に座れ」
仕事の時は運転させるのに…公私混同はしないタイプ？謎だ。
とは言え、ジンさんの運転する車に乗らせてもらうのは大変レアなので、有り難く乗らせてもらうことにした。
帰りは一言も会話をすることはなかったが気まずくはなかった。
「ここ、私の住んでる施設…」
「なに当たり前のこと言ってやがる。さっさと降りろ。」
あのジンさんが私のためにここまで送ってくれたの…！？
もしかして私の足の怪我を気にして…いや、それは無いな。
明日は隕石が降ってくるなぁ
そわなことを考えていれば、隣で盛大な舌打ちが聞こえた。
やべ、考えてたこと顔に出てたかな。
「顔がうるせェ。」
「すみません…」
「もういい。さっさと降りろ」
急がないと拳銃突きつけられそうな雰囲気だったので慌てて降りた。
助手席のドアを閉める前に、車高の低い車に合わせてジンさんの顔が見えるように屈む。
「ここまで送ってくださってありがとうございました。」
「……たまには人と絵を見るのも悪くねェな。」
そう、ひとり言のように呟いた後、ジンさんは車を出した。
私も同じ事を思っていたので、少し嬉しかったのは、ここだけの秘密。
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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね！！！夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました！いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (
レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……！！！！休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます！そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう（笑）続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…！ありがとうございます！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます！現在元気に3股してます！笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ！！完結まで私はこの作品を推し続けます！！ (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2022年6月28日 12時
