131_最初の奇跡 ページ39
風戸side
「下衆がァ…」
「うん?風戸先生今何か言ったかな…?」
「今回の執刀医の黒澤Aです。今回はICUを開場くださってありがとうございます。」
フォローするように隣から入ってきた彼女の声に、ハッと我にかえる。
おっといけない、つい口から殺意が出てしまっていた。
「…あぁ、そうそう。認識の誤差がありましたようなので僭越ながら訂正させていただきます。風戸先生が外科手術の一切から手を引いたのは誤りですよ。」
「誤り??」
「はい。彼は私とはよく外科手術の意見交換もしますし、今回の助手だってむしろ率先して任されてくれました。先生が外科から手を引いているのは、“この病院”だからじゃないんですか?」
「な…ッ!」
「では、これから手術が控えているので。失礼」
「貴様ァ!!」
唾を吐き散らして喚く姿は、家畜のブタそのものだ。
そんなブタを薄笑うように目を細めた後、Aさんは何事もなかったようにICUへと入って行った。
「しゅき…」
***
No side
「どうやらあの女医は、ICUで解剖学を学びたいようだね。」
年配の医師がそう鼻で笑うと、同調するようにあちこちからクスクスと笑い声が聞こえてくる。
その言葉は言外に、『こんな難易度の高い手術、成功するわけがないだろう』と言っているようなものだった。
「お手並み拝見、と言ったところかな。」
吹き抜け構造になった手術室の2階部分の窓からベテランの医師らが見下ろす中、Aは手術台の前へ立つ。
「これから、頭蓋内血腫除去術を始めます。──メス。」
Aの声で手術室が動いた。
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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね!!!夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました!いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……!!!!休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます!そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう(笑)続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…!ありがとうございます!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます!現在元気に3股してます!笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ!!完結まで私はこの作品を推し続けます!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2022年6月28日 12時