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Aside
朝、目を覚ますと、綺麗なお顔をした成人男性が幸せそうにすよすよと眠っていた。
「……事後?」
服は……よし着てる。
取り敢えず間違いは起こしてなさそうだなと、ホッと胸を撫で下ろす。
いつの間に寝ちゃったんだろ…
…ん?そもそも私イスに座ってたよね。それがどうしてバーボンさんの抱き枕になってるの??
困惑のままバーボンさんを見つめていれば、金色の絹のような髪がはらりとこぼれ落ちた。
色素の薄いまつ毛がぴくりと動き、そのままゆっくりとまぶたが上がる。
「…ん、」
まだ寝惚けているのだろう、とろんと眠たげに私を見つめると、フワリと微笑んだ。
「おはよう。」
寝起きの掠れた声で、まるで大切な人を愛おしむように私の頬を優しく撫でるバーボンさん。
普段はあまり見せたがらないその大人な表情に、私は息をのんだ。
「…あぁ、そうか。これは夢か」
なんて素晴らしい夢なんだろう…
あまりの神々しさに、お美しいご尊顔に手を合わせた。
「……残念ながら現実だ。朝から人の顔を仏像みたいに拝むのやめてもらえるかな?全く、色気がないな」
「この状態で色気があった方が色々とまずくないですか。」
「……確かに」
一旦冷静になった様子のバーボンさん。
次の瞬間、ブルーの目がカッ!と見開いた。えっ、こわい
「Aさん今何歳!?」
「レディに年齢を聞くなんて失礼…と言いたい所ですが、まぁ、いいでしょう。18歳で日本で言う大学一年生の代ですね。」
「…ッ…18歳…ギリギリ…いやでも10代…」
「犯罪組織の幹部って時点でギリギリも何も無いですから大丈夫ですよ。私は囚われの身なので王子様にどんなことされても…っ、従順でいますから…っく!」
「誤解を招くような言い回しはやめようか。」
うわ、イケメンの真顔怖…
その必死さが逆にアウトっぽい…とは言わないでおこう。
「そんな事より、お腹空きました。」
「そんなこと…ッ…はぁ、そうだ君はそういう子だったね…」
バーボンさんは上半身だけ起こし、前髪をうざったそうにしてかき上げた。
それを寝ながら見上げてるんだけど、なんだろ、すげぇ事後感ある。やったことないけど
「……で、何が食べたいんだい。」
「たまごやき!!」
「味は?」
「出汁巻!」
「ふふ、了解。」
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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね!!!夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました!いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……!!!!休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます!そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう(笑)続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…!ありがとうございます!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます!現在元気に3股してます!笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ!!完結まで私はこの作品を推し続けます!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2022年6月28日 12時