96_ユダの接吻 ページ4
No side
月が美しい季節、秋。
十五夜である今日は、特に美しく見えていた。
そんな満月の月光を頼りに、ライは組織の裏切り者の体を押さえ込む。
まったく…不運な男だ。
「流石だな、スコッチ。揉み合うように見せかけて、俺の懐から拳銃を抜き取るとは…」
「拳銃はお前を撃つためじゃない。こうするためだ…！」
ライへ向けていた銃口を、自分の胸に当てる。
易々と死なせてたまるか
咄嗟にライは、リボルバーのシリンダーをつかんだ。
「…人間の力で引き金を引くのは不可能だ。自
「なに…！？」
「俺はFBIから潜入している赤井秀一、お前と同じ奴らに噛み付こうとしている犬だ。」
「なん、だって…」
彼の言葉に、スコッチの瞳が微かに揺れた。
FBIからすれば、スコッチをこの場で保護すれば日本警察に恩を売るまたとない機会だ。
だが身を危険に晒してまで助ける義理はなく、上層部に今の状況を報告しようものならスコッチ保護の許可は降りなかっただろう。
そうまでしてスコッチを救おうとするのは、単に赤井秀一の私情からだった。
「…射撃において、俺より有能な人間は今まで見たことがなかった。」
「え、こんな時に自慢…？」
「聞け。100m以内においての射撃の腕は、お前の方が上だ。」
痙攣もさせることなく脳幹に一発で命中させるスコッチの腕は、ライにとって嫉妬を覚えるほどだった。
「腕の良い潜入捜査官をこんな場所で終わらせる気は俺にはない。──FBIに来い。スコッチ」
身バレしたスコッチにとって、赤井からの提案はまたとない好機だった。
「ライ、俺は………」
「狩には絶好の夜だなァ…スコッチ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 998人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね！！！夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました！いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (
レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……！！！！休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます！そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう（笑）続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…！ありがとうございます！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます！現在元気に3股してます！笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ！！完結まで私はこの作品を推し続けます！！ (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2022年6月28日 12時
