121 ページ29
諸伏side
「俺が組織から抜けてから結構な頻度でここに来てるけど…大丈夫なのか？」
「今の私って死体が生きていると思ってる人格破綻設定だから、ココへ通い詰めても誰も気にも止めないんだよね…」
そう、お昼の炒飯を食べる手を止め、どこか遠い目をしているAちゃん。
さっきも何処かに電話していたし、組織関係で何か悩みでもあるのか…？
そんな相談にも乗ってやれない自分が不甲斐ない。
「でも、Aちゃんは俺と一緒にいて辛くないか…？俺ら警察は君にとって親の仇そのものだ。…俺が、憎いだろう。」
「いえ？全く。私、仇討ちとか興味無いんで」
ハッキリとそう言い切ったAちゃんに拍子抜けする。
『喜ぶも何も、死人は生き返らない。それは今を生きる人間にとって無意味な感情ですよ。』
本来なら大人である俺が、それは“無意味な感情”ではないと教えるべきなのに…
それが出来ないことが歯痒くて、悔しかった。
「それはそうと、この前スコッチハウスに侵入者が入ってきたらしいじゃん。ひろ君大丈夫だった？」
「あぁ、大丈夫。侵入される前にちゃんと部屋にある隠しスペースで身を潜めていたから見つかってないよ。…たぶん侵入したのはバーボンだろうな。」
本当はゼロに、俺が生きているというメッセージを残したかった。
だが今の俺は、FBIの赤井によって身柄を保護されている状態。
そんな俺から行動を起こせば、今後の赤井との信用問題に関わるし、何よりもバーボンが公安の人間であるという情報を他の捜査機関へ渡したくなかった。
「アイツのこと、よろしくな。」
だが、Aちゃんは違う。
国や捜査機関の利害で
今回の俺の件が、何よりもの証だ。
だがいくらAちゃんでも、潜入捜査官の素性を“直接的に”バラすなんて真似はできない。
頭のキレる彼女の事だ。
今の言葉で俺とバーボンの関係も察してくれるだろう。
そしてゼロの洞察力と観察眼ならば、Aちゃんの態度から俺が生きているという答えにたどり着く筈だ。
そこから自ずと、ライがFBIの潜入捜査官だと導き出せる。
ライとの仲が改善されれば良いが…
「…無理だろうなぁ。」
「何が無理なの？」
「気にしなくていいよ。亡霊の独り言さ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1000人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね！！！夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました！いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (
レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……！！！！休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます！そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう（笑）続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…！ありがとうございます！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます！現在元気に3股してます！笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ！！完結まで私はこの作品を推し続けます！！ (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2022年6月28日 12時
