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ドライヤーを机に置いた後に救急箱を開いて、
大きく色が変わった私の右頬に専用の湿布を貼ってくれた。


ひんやり冷たい。スースーする。

「これでも学生時代は運動部だったから怪我の手当とか慣れてんだよね。」

…部活かぁ。

そんな思い出私にはこれっぽっちもない。
青春なんてなかった。


「はい、おわり。」

気づけば体中の傷が丁寧に治療してあった。


「あ、りがとうございます…」


この人といると何もかもが初めてに感じる。

寄り添ってくれる人なんて一人もいなかったから。


「敬語なんて使わないでよ。同い年だし。」


この人は人の頭を撫でるのが癖なのだろうか。


「え、年齢一緒なんですか…?」

「そーだよ。知らなかった?」


だから敬語禁止〜なんて言う。

…あざといってこのことか…

そういえばこの人、名前も知らない。


「名前…」

「ん?」

「名前、なんて言うの。」


ぎこち無いタメ口を聞いて、ちらりと控えめに彼の様子を伺う。


「…あぁ…




______ユン・ジョンハン。」




なんだか空気が変わった気がした。

何故か目を逸らした彼は、謎に悲しい顔をしていた。


「…聞いたことある?」


ユン・ジョンハン…

ハニの酷いいじめのせいで生きるだけで精一杯だった私にとって、
学生時代の頃のクラスメイトや周りの人達の名前なんて到底覚えていない。

もしかしてどこかで会ったことがあるのかな、、?

でも私、わからないや。


「いや…聞いたことない。」

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ゆりあ(プロフ) - 初めまして。最後まで読ませていただきました。ジョンハンがハニだって分かった所あたりから泣いてしまいました...なんか、言葉に表すのが難しい感情です...私はこういう系のお話を初めて読ませていただきましたが、本当に良かったです。これからも応援してます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: 3890c4bb34 (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - ぴーよさん» なんて嬉しいお言葉を……(><)最高だなんて( *˙ ˙* )ほんとにありがとうございます~頑張ります! (2020年8月18日 23時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーよ(プロフ) - 読み終わりました...というより、読み終わっちゃいました泣 こういう系初めてで最初ちょっと躊躇してしまったんですが、もう最高です。読んでよかったですほんとに(>_<) とりまもう一ループしてきまっす (2020年8月18日 23時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - モノクロさん» 嬉しい言葉ばかりで、、、(喜)全部見ていただけたのですね、、、ただただ嬉しいです、、、(><)単行本!?!?!?笑笑そんな!これからも頑張ります、、!ありがとうございます~! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - すっごく面白かったです!!作者さんのお話全部、見させて頂いたのですが、もう本当にドストライクでして。単行本、待ってます。応援してます! (2020年8月18日 20時) (レス) id: 2b6a0ab99a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅな | 作成日時:2020年8月15日 15時

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