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その頃の私にとっては苦痛でだんだんと自分を押し殺すようになっていった。
口数も減って、笑うことも無くなった。
学年が上がるにつれ、いじめはエスカレートしていく。
不運なことに、6年間の学校生活のなかでハニと同じクラスになったのは4回。
3分の2の確率で同じクラスになっていた。
私にとっては最悪な状況。
小学校を卒業する頃には私の持ち物が壊れてたり、無くなったりすることなんて日常茶飯事だった。
お父さんがいないだけでなんでここまでいじめられなきゃいけないのか…
ずっと心の中にあるこのもやもやをお母さんに話さなかった。…話せなかった。
大変な思いをさせたくない。
ただそう思った。
私が言葉を話せるようになった頃にはもう私にはお母さんしかいなかった。
私が眠ったあとも働き続けている姿を知っているからこそ、相談なんて出来なかった。
_____
「ちょっと生きてる…?」
ドア越しの警察官さんの声が聞こえて気がついた。
そうだ、私お風呂に入ってたんだ。
「あ、生きてます…」
「お風呂1時間近く入ってるよ、絶対指ふやふやでしょ」
あぁ確かにふやふやだ。
考え事をすると周りが見えなくなって時間を忘れる。
「すみません早めに出ます…!」
慌てたようにザバッと浴槽で立ち上がった。
「いいよ、ゆっくりしな」
…流石正義の味方…
警察はみんなこんなにも優しいのか…
お風呂から出ると、机の上には救急箱が置いてあった。
「じゃあまず髪の毛を乾かします。」
人差し指をピンと立てて、子供のように得意げな顔をする。
その様子になんだかワクワクしてしまった私は、彼の目の前に用意された椅子に迷わず座った。
「それではお客さん。肩の力抜いてくださいね〜」
ぶおぉと音を立てて私の髪の毛を踊らすドライヤー。
自分でドライヤーを持ってもいないのに髪の毛が乾いていく…
こんな光景初めてでなんだか落ち着かない。
「はい!じゃあ今度は傷の手当をします。」
そういえば、包帯を巻くのだって自分でやってたから下手くそだったなぁ。
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ゆりあ(プロフ) - 初めまして。最後まで読ませていただきました。ジョンハンがハニだって分かった所あたりから泣いてしまいました...なんか、言葉に表すのが難しい感情です...私はこういう系のお話を初めて読ませていただきましたが、本当に良かったです。これからも応援してます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: 3890c4bb34 (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - ぴーよさん» なんて嬉しいお言葉を……(><)最高だなんて( *˙ ˙* )ほんとにありがとうございます~頑張ります! (2020年8月18日 23時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーよ(プロフ) - 読み終わりました...というより、読み終わっちゃいました泣 こういう系初めてで最初ちょっと躊躇してしまったんですが、もう最高です。読んでよかったですほんとに(>_<) とりまもう一ループしてきまっす (2020年8月18日 23時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - モノクロさん» 嬉しい言葉ばかりで、、、(喜)全部見ていただけたのですね、、、ただただ嬉しいです、、、(><)単行本!?!?!?笑笑そんな!これからも頑張ります、、!ありがとうございます~! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - すっごく面白かったです!!作者さんのお話全部、見させて頂いたのですが、もう本当にドストライクでして。単行本、待ってます。応援してます! (2020年8月18日 20時) (レス) id: 2b6a0ab99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅな | 作成日時:2020年8月15日 15時