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「だんだん料理上達してきてるね」
「ん、ジョンハンの為に頑張ってる」
可愛いこと言うなぁ〜って、私の唇に軽くキスをした。
「そっちで待ってて」
「やだ、近くにいたい」
なんて、こんなに仲良くなったのも、あれから色々あったわけで……
その"色々"が、結局私たちをくっつけた。
あの後、私はあの家を出た。
荷物をまとめて、近くの公園に座り込んだ。
ホテルに泊まるお金なんかなかったし、今日はここでいいやってベンチに寝転んだ。
それからそこで2週間過ごした。
いわゆるホームレス。
ジョンハンに買ってもらった服を着ていたら、ボロの服を来ていた時よりも嫌な目を向ける人はいなかった。
公園に遊びに来た優しい子ども達や、少し危なそうなおじさんまで。
食料を分けてくれたりして何とか生きていた。
でも、夜になって一人ぼっちになって、毎回浮かんでくるのはたった1人、ジョンハンだった。
目を閉じると彼と過ごした楽しい時間が頭の中でフラッシュバックのように繰り返された。
その度に泣いた。
泣いて泣いて、もう嫌だと、自分までも嫌いになってしまったその時に、手を差し伸べてくれたのはやっぱりジョンハンだった。
「……帰ってきてくれないかな…」
やっぱりAと一緒にいたい。
そういった彼の手を掴んだ。
私が家から出たのは、ジョンハンと…いや、ハニと…一緒にいたいと思ってしまった自分を押し殺すためだった。
学生の頃の自分に怒られそうで怖かったんだ。
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ゆりあ(プロフ) - 初めまして。最後まで読ませていただきました。ジョンハンがハニだって分かった所あたりから泣いてしまいました...なんか、言葉に表すのが難しい感情です...私はこういう系のお話を初めて読ませていただきましたが、本当に良かったです。これからも応援してます! (2020年10月3日 23時) (レス) id: 3890c4bb34 (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - ぴーよさん» なんて嬉しいお言葉を……(><)最高だなんて( *˙ ˙* )ほんとにありがとうございます~頑張ります! (2020年8月18日 23時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーよ(プロフ) - 読み終わりました...というより、読み終わっちゃいました泣 こういう系初めてで最初ちょっと躊躇してしまったんですが、もう最高です。読んでよかったですほんとに(>_<) とりまもう一ループしてきまっす (2020年8月18日 23時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
みゅな(プロフ) - モノクロさん» 嬉しい言葉ばかりで、、、(喜)全部見ていただけたのですね、、、ただただ嬉しいです、、、(><)単行本!?!?!?笑笑そんな!これからも頑張ります、、!ありがとうございます~! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b46efb986b (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - すっごく面白かったです!!作者さんのお話全部、見させて頂いたのですが、もう本当にドストライクでして。単行本、待ってます。応援してます! (2020年8月18日 20時) (レス) id: 2b6a0ab99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅな | 作成日時:2020年8月15日 15時