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橋本side
最近、Aと会っても全然会話なんてできなくて
会話なんて言っても耳が聞こえないから。
そういえば、
Aと仲良くなったのは俺がこの耳のせいでいじめられててそれをAが庇ったからだったよな。
なんて、10何年も前のことを思い出す。
未だに鮮明にその記憶が残ってるのは、その時のAがカッコよかったから。
今のAに俺は何ができているだろう。
助けられてばかり。
耳に埋め込まれてある機械を触る。
…ずっと迷ってる。
君の隣にいるにはどうしたらいいか。
君を助けれる人になりたいと思ってた。
でも、今日俺の隣にいるのは
クラスで別に特別仲の良くない女の子。
"涼くんが好きです"
とスマホの画面上に現れる。
こういう時、俺はどうしたらいいか分からなくて
困ったように微笑む。
耳が聞こえない、言葉を喋ることができないとは
こんなにも不便なのか。
痛いほど痛感する。
"ごめん。
俺と付き合うのは大変だと思う"
だからいつも、こうやって病気のせいにして逃げてしまう。
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ハル(プロフ) - 新作、!!!頑張ってください! (2019年8月19日 0時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひまわり | 作成日時:2019年8月19日 0時