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「なっ、何！？ 」
『止めたァー！ 雷門中松風、神童、そしてキーパー三国で化身のシュートを見事止めましたー！ 』
「馬鹿な、化身のシュートを止めただと！？ 」
「こいつらが体を張ってくれたお陰だ。これで止められなきゃ、キーパー失格だぜ」
先輩、と三国さんを呼ぶ松風君と西園君の声が後ろから聞こえる。そのまま三国さんは神童さんへと大きくパスを出した。
残り時間はあと僅か。その土壇場で中途半端な化身を出すのは成功する確信があったのだろう。
「来い！ 俺の化身──奏者マエストロ！！ 」
先程の消え入りそうなものとはまるで別物のオーラだ。
化身は人の作る気の力が高まり具現化したもの。サッカーの英才教育を受けるシードでも、化身の発露は厳しい。シードでないならば言うまでもない。
どれほどの才能が神童さんの内に秘められているのだろうか。
『三国からのボールは神童の真上に上がった！ 』
「舐めた真似をしやがって！ 」
何事かと後ろを振り返ると、ファルコンを背にしたままこちらの神童さんへと駆けるお洒落さんの姿が目に入った。
「なり損ないの化身使いが！
「あ、ちょっと！ 」
「どけ！！ 」
私は申し訳ない気持ちになりながらも、ジャンプして神童さんへのパスを掠め取る。そのままお洒落さんの腹部目掛けてボールを叩き落とした。
化身は化身でしか止められない。だが、勿論例外はある。一つは実力差が大きく開いている場合、二つは化身の使用者側が著しく疲労している場合──今回はどちらも、だ。
風と共に蒼色の鳥は霧散し、お洒落さんが両腕で腹を抑え膝をついたのを尻目に私は近くに転がるボールを素早く神童さんの元へと返した。大丈夫、一連のプレイに五秒は経っていない。神童さんのパフォーマンスに影響は出ないだろう。
「ッぁ……！？ 」
「邪魔しないで！ 」
『なんとォ！？ 反田が隼総の化身を消したように見えましたが……！？ あっ、隼総が零したボールを神童へ戻します！ 』
神童さんの化身マエストロが腕を振ると、騒がしい筈のフィールドが静まり返った様に思えた。雫に見立てられたボールが地面に落ちて、大きな波紋が広がる。
「ハーモニクス！！ 」
お洒落さんがいない以上、天河原はこのシュートを止められない。
『決まったー！ 神童の化身が放ったシュートが、天河原中ゴールに突き刺さったーっ！ 雷門土壇場で天河原中を突き放しました！！ 』
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やに(プロフ) - 杳覇さん» くらちゃんコメントありがとうございます(^^) 頑張りますー！ あと早速誤字やらかしているので、読み直し徹底して行きたいと思います恥 (2021年7月12日 10時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - よっしゃ新作きたーー！！！ あああ一話目から面白そう……！！ え、え、めっちゃ楽しみです……！！ 更新待ってます！！ あとその、「急な転向」って「急な転校」ではないでしょうか……！ (2021年7月12日 10時) (レス) id: 7468c0248e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年7月12日 10時
