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円堂達と大阪ギャルズCCCのゲームは、影山からのパスを受けたヒロトが流星ブレードで点をもぎ取り勝利した。

「ヒロト君がスペースに出るのをまるで最初から知ってたみたいだ」
「あぁ。惚れ惚れするくらい良いパスだった。影山はパスが持ち味の選手なのかもしれないな」
「……パッサーか」

 ポジションに関係無く、パスが持ち味の選手をパッサー又はパサーと呼ぶ。ミッドフィールダーとしては王道の役割で、司令塔が兼ねるパターンが非常に多い。しかしパッサーは複数人存在する事もある為、パッサー=司令塔とは限らない。

「吹雪はあのゲームをどの辺から見ていたんだ? 」
「僕はかなり序盤から見てたと思うよ。丁度外周の帰りだったからすぐ気づけたんだ」

 吹雪が言うには、影山は特に派手な動きはせずゴール付近に突っ立っていたと言う。




 *




「影山君は見るからにやる気無さそうな感じで、ヒロト君へのパス以外に目立って動いたところは無かったよ。

 キャプテン達はほぼ四人で戦ってた。しかも流れは完全に相手が掴んでて、ヒヤヒヤする場面がいっぱいあった。

 それなのにずっと『相手の』動きがぎこちなかったんだ。

 相手のペースに飲まれてた緑川君達と比べると、本当に微々たる変化なんだけどね。(微笑を浮かべる吹雪)

 あぁ、シュートを打ってくるぞって時に決まって敵の動きが鈍くなってた。

 そんな本調子じゃない敵のシュートをキャプテンが弾いて、影山君が前線にいる仲間にパスするっていう流れが、少なくとも十回はあったよ。

 そう、十回だよ?

 でもその場にいる全員がそれに気づいてなくて。

 意識してなくて(・・・・・・・)

 鬼道君ならこの違和感に気づくかもと思って、急いでここに来たんだ。

 これって、影山君が陰で何かしていたのかな? それとも僕の気のせい?

 鬼道君はどう思う? 」




 *




 何とも言えない、が正直な感想だ。相手FWの調子が悪かった、円堂の調子が良かった。そう片付けてしまえばそれまで。
 しかし攻守どちらも一流に熟す吹雪の「違和感がある」という言葉を無視は出来ない。それに、あのゲームの勝ち点は確実に影山のアシスト有りきの物だった。

「……頼れる仲間、だったら良いんだが」

 嫌な想像ばかりが浮かぶ。
 もし吹雪の言う通り、影山がフィールドの誰にも気づかれぬ方法で試合を操っていたら。
 ごく自然に自滅だってできる筈だ──



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作品ジャンル:アニメ
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名無し40482号(プロフ) - 夢蜂さん» ホントですか! ありがとうございます。久しぶりに筆をとったのでお見苦しい点もあるかと思いますが、完結までまだまだこれからなので長い目で応援して頂けたらと思います(^^) (2020年11月13日 20時) (レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 久しぶりに占ツクに帰ってきたら好きな作品に巡り会えました!更新ゆるりと待ってます!! (2020年11月13日 12時) (レス) id: e0800992ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し40482号 | 作成日時:2020年10月18日 21時

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