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ボトルを投げ渡すと、彼は蓋を開けて頭から被った。
「あっついな」
地下とはいえあれだけ動き回れば当然だろう。
「取らなくていいボールも取ろうとしているからだ。君の動きには無駄が多すぎるからね。セーブ率を考えるなら捨てる球は何個もある」
「でもそれじゃ特訓にならないだろ。試合だったらゴールは絶対に守んなきゃいけないんだし」
「試合だったらで言うならそれこそこんな数のボールが飛んでくることなんかないだろ」
「分かんないぜ！ そういうシュート持ってる奴とこれから戦うかも。ワクワクするな、影山」
「どうでもいい」
足元に転がるボールを機械の方へと蹴る。山なりのカーブを描いて、ボールが側に備えつけられている籠に吸い込まれていく。
「おぉ！ やるじゃないか！ 」
「……。アハハ、君ったら褒め上手だね」
円堂から視線を逸らし、誤魔化す為に散らばったボールを拾うべく歩を進める。僕は己の声に感情が混じったことへ更なる苛立ちを感じつつ、ボールを蹴った。
「朝不動とやってた練習でも、ボールコントロールが冴えてたもんな」
ガンッ──蹴ったボールが籠の縁にぶつかり明後日の方向へ飛んで行く。
あくまで自然な微笑みを作って円堂へと振り返った。
「あれ見てたんだ」
「あぁ！ 走ってたら見かけてさ。あの辺俺も家が近くだから走るんだ」
「そうなんだ」──もう近づかないでおこう。
「声かけようかと思ったけど、二人とも楽しそうだったから止めたんだ」
「楽しそう、か」
「今日は影山も朝練参加してくれるかなって思ったんだけどな……」
「くくくっ……不動しか来なくて残念だったって？ 」
「なんかそう言うと……」
「ああ皆まで言うな、哀れだろうよ不動君が！ 可哀想にねぇ」
「違うぞ！？ 俺は今日こそ影山も朝練参加してくれるかなって思ってたってだけだ！ 」
「アハハ！ これはこれは、悲しむだろうなァ不動君。今から彼の反応を見るのが楽しみだよ」
違うんだよ、と
「どのくらいやってたんだ？ 」
「ざっと一時間とか」
「仲いいんだなお前ら」
「良くない。チッ、これ否定するの二回目だな……君も冬花ちゃんも、どうしてそう思うの？ 」
「うーん……なんとなく？ 」
「なんとなくだと？ 」
「よく一緒にいるのと……あとは、そうだなー、サッカーやってる時の顔が似てるなって。今日の二人見てからぼんやり思ってさ」
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名無し40482号(プロフ) - 夢蜂さん» ホントですか！ ありがとうございます。久しぶりに筆をとったのでお見苦しい点もあるかと思いますが、完結までまだまだこれからなので長い目で応援して頂けたらと思います(^^) (2020年11月13日 20時) (
レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 久しぶりに占ツクに帰ってきたら好きな作品に巡り会えました！更新ゆるりと待ってます！！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: e0800992ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し40482号 | 作成日時：2020年10月18日 21時
