渋谷くん3 ページ9
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それはバレンタインの前日の事だった。
放課後、いつもの様に帰り支度を済ませ、教室を出ようとした時のこと。
廊下の隅の方から声が聞こえてきた。
女の子の声ともう1人はすばるの声。
私は思わず隠れて聞き耳を立てた。
｢すばるくん、一日早いんだけどこれ。｣
｢チョコ？おおきに｣
｢あの、良かったら私と付き合って下さい。
Aちゃんも彼氏出来たみたいやし、すばるくんも新しい恋、始めない？｣
女の子がすばるに告白している。
しかもなんで私の名前出すかね？関係ないでしょう。
と思いつつも、私はすばるの返事が気になって、心臓がバクバクした。
なんて答えるんだろう。
すばるに彼女ができたら、今までみたいに仲良くできなくなる？
すばるが私の名前を呼んで、前みたいに話しかけてくれることもう無くなるのかな…
今まで見て見ぬふりをしていた感情が溢れそうになって、途端に寂しくなった。
しばらくしてすばるの声が聞こえた。
｢…せやな｣
あれ？なんだろうこの気持ち。
すごく胸が締め付けられる。
今までこんな気持ちになったことなんてなかった。
すばるはいつもそばにいたし、これからもずっと私のことを好きでいてくれると思ってた。
それを私はまだ恋愛に興味が無いからとあしらってもずっと思い続けてくれると思っていたのに、現実は全然そんなことなくて、すばるはあっさり他の人のものになった。
いなくなってから自分の気持ちに気づくなんて馬鹿すぎる。
こんな風になるなら、もっと自分の気持ちに向き合えばよかった。
すばるのことちゃんと見るべきだった。
後悔先に立たず。
私は、しばらくその場に立ち止まったまま、すばるたちの気配がなくなったのを確認してからひとりとぼとぼと帰宅した。
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神八爽蘭(プロフ) - やまーさん» 教えていただきありがとうございます！非公開になってました(;_;)すみません。 (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
やまー(プロフ) - 渋谷くんの5が抜けてると思います！間違ってたらすみません… (2020年2月14日 22時) (レス) id: a2a6af1ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月12日 23時
