安田くん3 ページ27
.
バレンタイン前日、私はスーパーにいた。
友チョコや、お父さんにあげるチョコを作るため材料を買いに来たのだ。
一瞬安田くんの存在が頭を過ぎったけれど、それはすぐにかき消した。
明日、英花は安田くんに告白する。
安田くんはなんて答えるんだろう…
気になる。
いくつか材料を買い込んでその日は夕飯も食べずにチョコレートを作っていた。
バレンタイン当日。
｢おっはよー｣
いつにも増してハイテンションな英花が下駄箱で靴を履き替えている時声をかけてきた。
そんな英花の左手には、可愛らしい紙袋。
きっと安田くんにあげるものだろう。
｢これな、昨日作ってん｣
私の視線に気づいた英花が紙袋を顔の横に持ってきてそう言った。
とびきりの笑顔で。
｢上手くいくとええね｣
｢うん！緊張するー！
でも決めたからね、ちゃんと伝える｣
またねー！と手を振り、それそれ教室に入る。
教室の中は友チョコを渡し合う女子やクラスの男子にチョコレートを配り歩く女子達で盛り上がっていた。
安田くんはまだ来ていないみたいだ。
よかった、今日はちゃんと会話出来る気がしない。
私は自分の席にバッグを置いて友チョコを交換し合う女子に混ざった。
｢ありがとう｣
｢これ、昨日作ったん｣
｢私もー！
なぁ、Aちゃんって本命おらんの？｣
ちょうどその時安田くんが教室に入ってきた。
一瞬目があったけど直ぐにそらされる。
｢本命？おらへんよ！
今年は友チョコとパパに作っただけ｣
なるべく大きな声で言った。
きっと、安田くんも聞いていたはず。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神八爽蘭(プロフ) - やまーさん» 教えていただきありがとうございます！非公開になってました(;_;)すみません。 (2020年2月14日 22時) (
レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
やまー(プロフ) - 渋谷くんの5が抜けてると思います！間違ってたらすみません… (2020年2月14日 22時) (レス) id: a2a6af1ebe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年2月12日 23時
