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「先輩が倒れた日、その話を聞いて直ぐに俺も医務室に向かいました。」
「…」
知らなかった。
目黒くんも来てくれてたなんて。
「その時見ちゃったんです。
深澤さんと先輩が抱き合ってるとこ。」
「あれは…」
「俺、動揺しちゃって。
本当は二人の間に割って入って行きたいくらいの気持ちがあったのに、実際は足がすくんで何も出来なかった。」
「…」
「先輩に対しても深澤さんに対しても、どんな風に接したらいいかわからなくて、もし不快な思いさせてたらごめんなさい。」
「謝らないでよ…」
「だけど、もし俺がもっと早く先輩の体調の変化に気づいてあげられてたら…
あの場にいたのが俺だったら先輩を抱きしめてたのは俺だったかもしれない…
そう思ったら悔しくて…」
「…」
「俺にもうチャンスないですか?
やっぱり先輩は深澤さんと…」
目黒くんの真っ直ぐな視線に逸らすことなんて許されない。
こんなに真っ直ぐ想ってくれる彼に、私もまっすぐ答えないといけない。
逃げてばかりじゃダメだ。
「あのね、確かにあの日深澤さんに抱きしめられた。
だからと言って付き合ってるわけじゃなくて、あの日は本当に弱ってたから頼ってしまったの。」
「…」
「実はその時に深澤さんから想いを伝えられて…今まで私、恋愛なんてしてこなかったからわからなくて…
深澤さんはゆっくりでいいって言ってくれて、今はその言葉に甘えて自分の気持ちに向き合ってる最中なの。」
私の話をうんうんと頷きながら聞いてくれる目黒くん。
届いた食事にもお酒にもまだ手をつけないままだ。
「付き合ってるわけじゃないなら、俺にもチャンスありますよね?」
「…なくはない、かもしれない」
「よかった」
ここへ来てやっと初めてお酒に手をつけた目黒くん。
ビールを一気に飲むと口を開いた。
「ここからは遠慮しませんから。
先輩には絶対に俺の事好きになってもらいます。」

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神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時