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屋上に行くのはどれくらいぶりだろう…
入社したての頃はよく屋上で翔太とコーヒー飲みながら話してたっけ。
翔太のこと思い出してたらまたふつふつと怒りが湧いてきた。
乱暴に少し重いドアを開ける。
就業時間真っ只中、誰もいないはずの屋上。
奥のベンチに腰かけてタバコをくわえる深澤さんと目が合った。
一瞬まずいって顔した深澤さん。
「なんだAか」
やってきたのが私だと分かりほっとしたように表情が緩む。
「社内禁煙なんですけどー」
「いいじゃんかよー、ん、Aも吸う?」
相変わらずタバコをくわえたまま、まだ半分以上入ったタバコの箱を私に差し出す。
「私が吸わないの知ってますよね」
「ふは、まぁそんな怒んなって。」
深澤さんが綺麗な白い指でタバコを口から抜いてふぅ、と息を吐いた。
タバコの煙が空に消える。
それをぼーっと見ているとベンチの空いたスペースをポンポンと叩いて隣に座るよう促される。
「どうした?
さっそく喧嘩か?」
図星を突かれて何も言えずただタバコの煙を目で追っていた。
「俺で良かったら聞くけど、あんまり話したくない感じ?」
この件に関しては少なからず深澤さんも関わってるし、さすがに話さない方がいいかな。
なかなか話し出さない私に深澤さんは続けた。
「なべはさ、素直じゃないから。
あんまり面白くない態度とっちゃうかも知れないけどAのことちゃんと信頼してると思うよ?」
仕事のパートナーとしてな、ってすぐに付け加えられる。
「それとも、別件?
もしかしてAってなべと…?」
「そんなわけないじゃないですか!
だいたい深澤さんがこの前…あっ」
「何何?めっちゃ気になるんだけど!」
見事に墓穴を掘ってしまった私。
何度誤魔化そうとしても引き下がる気のない深澤さん。

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神八爽蘭(プロフ) - りんごさん» りんごさまコメントありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです!誰オチの作品でも楽しんでいただけるよう頑張って考えますので楽しみにしていてくださいね! (11月30日 17時) (レス) id: 7548cab30a (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - え?!全員分のオチを考えていただけるなんて嬉しすぎます…!ありがとうございます!!更新楽しみにしています! (11月29日 22時) (レス) id: 1af05a18e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年11月16日 20時