10 横山SIDE ページ10
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｢さーて、今日は飲むぞー！｣
部長が伸びをしながら言うたのは定時である午後6時の5分前。
周りを見渡すと他の奴らも早々に帰り支度を始めていた。
店は会社から歩いて5分ほどの所にあるイタリアン居酒屋を予約した。
結局、二部署合わせて30人ほどの大人数になった。
幹事である俺と宮内は先に店に向かうことにした。
店は元は宮内が見つけてくれた店だ。
｢宮内ありがとうな。
ええ店紹介してくれて｣
｢いやいや、ここはよく飲みに来る場所なんだ。
雰囲気もいいからAさん気に入ってくれると思うよ。｣
｢…そうやな｣
やっぱり宮内はAに好意を抱いていると思う。
仕事中もよくAに話しかけに行っとるし…
せやけどAにちょっかい出しに行くのは宮内だけやない。
その事を宮内もよく理解していた。
せやからあんまりおおっぴろげにアプローチすることはせんのやろう。
俺たちが店に入って30分経つ頃にはほとんどのメンバーが揃ってた。
Aの周りを囲むように部長始め、若い男性社員が座っている。
俺と宮内はまずそれとは反対側に座った。
その瞬間にチャンスとばかりに俺の周りには見たことも無いような女性社員が座り出した。
｢横山さん、隣いいですか？｣
｢私もー！｣
きっと隣の部署の子らかな？
猫なで声で話しかけてくる。
化粧濃いし、何より香水臭い。
明らかに俺の苦手なタイプの子達やわ。
というわけで、俺とAは対極でお互い異性に囲まれて歓迎会はスタートした。
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年5月19日 8時
