6 横山SIDE ページ6
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家に着く頃にはもう空は暗くなっとった。
季節は春、とは言ってもまだまだ肌寒い。
部屋に行くなりすぐに暖房を付けた。
「さーて、着替えたらご飯作っちゃうねー!」
そう言って数分後にリビングに戻ってきたAは色気の欠けらも無いジャージ姿。
会社での格好とギャップありすぎやろ。
って俺はこっちの方が見慣れてるんやけどな。
Aは外ではちゃんとしてるんやけど、昔から家やとこんな感じ。
使い古したジャージに髪は適当に束ねて基本すっぴん。
この方が楽やねんって本人はなんも気にしとらん様子。
会社の人間が知ったら驚くやろな。
俺も適当に部屋着に着替える。
Aがテレビでも見て待っとってって言うたから、言われた通りソファーでくつろぎながら待っとった。
帰ってから夕飯の準備せんでええって楽やな〜。
まぁ男の一人暮らしなんて大したもん作らへんけどな。
「裕食べよー」
テーブルの上には普段俺ん家では絶対に見られへんような品数の料理が並んどった。
短時間でようこんだけ作ったな。
「おいしい?」
テーブルにひじをついて、俺が食べとるのジロジロ見ながらAは聞いてくる。
相変わらずにやにやして。
「んまいで」
仕事のあとで腹も減っていたせいか、箸が進む進む。
それ抜きにしてもAの料理はほんま美味い。
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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年5月19日 8時