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24 横山SIDE ページ24

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「なぁ、横山。」



ある日の昼、いつものように社員食堂で飯食うてる時、向かいに座った宮内が神妙な面持ちで話しかけてきた。



「何や?」


「Aさんのことなんだけど。」



Aの名前が出て一瞬ドキッとする。


まさか、俺達のこともうバレたんか?


いや、会社では態度も違うし、行き帰りも時間ずらしとるし、そんなことはないか…


と色々と考えを巡らせていると宮内がさっきよりも小声で話しかけてきた。



「俺、本気でアタックしようと思うんだ。」



宮内の言葉に飲んでいた水を思わず吐き出しそうになる。


まぁ宮内が前からAのこと狙っとったのは知ってたし、そんな驚くことや無いはずなんやけど、


今の状況が一変するってのが現実味を帯びてきて、なんや胸騒ぎが止まらん。



「デート、どんな所に誘うのがいいのかな?
Aさんの好きな物ってなんだろう?」


「そんなん知らんわ。
本人に聞けや。」



俺はそう言って、残った飯を食べ始めた。


Aの好きな物は、水族館にオシャレな雑貨屋、本屋も好きやな。


食べるのも好きやから、この前行った浅草も楽しんどったなぁ。



なんて、Aの好きな物なんて俺が1番知っとるのに、ここで答えるわけにはいかへんやろ。



それにしてもあの静かな宮内がこれほどまでにAに真剣になるなんて思いもせえへんかったわ。


何となくこの場から早く立ち去りたくて、俺は飯をかき込んだ。

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作者名:神八爽蘭 | 作成日時:2020年5月19日 8時

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