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時間的にも場所移動しようということになって、外に出たけれど、二次会へ行くことは裕の鋭い目線で阻止された。
男性社員は引き止めてくれたけど、女子社員はこちらを見ようともしない。
これは完全に敵に回しちゃったかな…？
次はカラオケに行くみたい。
実はカラオケは苦手なんだよね。
ちょうど良かったかも。
それに私がここで帰ったら、きっと裕もカラオケには行かない。
それが分かっていたから私は軽く挨拶をしてみんなから離れた。
少し行ったところにコンビニがある。
その角で裕を待った。
腰を下ろした時、少し冷静になった。
裕は来てくれるって決めつけてるけど、来なかったらどうしよう…
夜空を見上げる。
東京の空は星が見えない。
夜なのに何処も彼処も明るくて眩しい。
女子社員に囲まれている裕を思い出して、少しだけ胸がきゅうとなった。
｢はぁ…はぁ…A帰ったかと思った｣
｢もーう！遅いー！｣
やっぱり裕は来てくれた。
さっきまでの不安なんか絶対に裕には見せない。
まだ酔っているフリをして、裕に甘える。
私もさっきの子達と同類じゃん。
家につくとちょっと拗ねたように裕が来てくれなかった事を訴えてみた。
だけど裕が来なかったのは、私が酔って裕への態度が戻ってしまうを心配してだということもわかっていた。
あの時実際に裕が私の隣に来たら、こんな風に｢裕｣と呼んでしまうことも、くっついてしまうこともあったかもしれない。
｢Aやって隣の部署の奴らに囲まれとったやん
それにな、酔うとキス魔になるのほんま気をつけや？
俺やったからまだよかったものの…｣
裕が照れくさそうに言った。
本人はバレてないつもりだろうけど、裕の白い肌は赤くなるからすぐにバレる。
その変化にドキッとして、なんだかにやにやしてしまう。
｢別に誰でもよかったわけやないもん。｣
そう言うと裕は顔を背けたまま、シャワーを浴びに行ってしまった。
なんだろう…
まだ酔ってるのかな…？
心臓が妙にうるさくて、その日はあまり眠れなかった。
次の日は眠そうな裕を無理やり起こして、外へ出た。
裕とこうして出かけるのは久しぶりで、すごく楽しかった。
やっぱり裕は優しい。
何でも私のお願い聞いてくれるんだもん。
だけど、それは幼なじみだから…？
夜、いつもはソファーに並んで座るのに珍しく裕は来なかった。
やっぱりキスはやりすぎたかな？
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作者名：神八爽蘭
| 作成日時：2020年5月19日 8時
