あのね、パパ【伏黒恵】

稽古 ページ11

悟「遅いおそーい

ていうか手ぇ抜くな」





悟のでかい拳を蹴りで受け止める。







由依「手を抜けるAがすごい！！」





悟「由依なんか息切れしちゃって〜
可哀想にぃー」





由依「うるさいなぁ！だったら手加減してよ！！」






二人がやり合ってるうちにサボる。
サボってると





悟「サボり厳禁」





ゲンコツされそうになる。






貴方「暴力反対」






悟「パパみたいに一生懸命しなさいよ」






貴方「してるよ
でも休憩も大事」







悟「オマエは休憩いらないでしょ
僕相手に汗もかいてないんだから」







貴方「代謝が悪いんだよ」









稽古は嫌い。
でも強くなりたい。




正直あの日呪霊を祓った記憶なんてない。
多分正気じゃなかったんだと思う。





人間は生きるために本気を出すと
記憶が飛ぶってことを学んだ。






由依「疲れた！！休憩！！」





悟「由依は休憩」








そして祓ったあとに手が震えて
怖くて仕方なかったみたいに叫んじゃって
死んだママに擦り寄ってたっけ。





気づいたら悟が来てて
私によくやったって言葉くれた。







後悔してる。








貴方「……」









ママを助けることができたのに。









悟「いつまでボケーーーっとしてんの
するよ」







貴方「うん」







由依「がんばれー」









いつまでもパパのあの顔が









貴方「……悟」







悟「なに？」








無性に私を苛立たせる。









貴方「…いや、なんでもない
呼んだだけ」

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