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そんなある日、彼は買い出しを任され、大きな街へと足を運んだ。
この時も、聖書を持って行くのを忘れなかった。
しかしその日は祭りの行われる日だったのか、人が大勢おり、一松は過呼吸に襲われた。

彼は昔から、人間が苦手だった。

苦しそうに胸を押さえながら、半ば転がり込むかのように入り込んだのは路地裏だった。
そこは薄暗く、ジメジメしているものの人はいなかった。

彼は呼吸を落ち着かせる為、路地裏で休憩をとった。


ふと、背後に気配を感じ振り向いた。
何か黒いモノがうごめいている…妖だ。

一松は咄嗟に構えたが、彼は何せ『出来損ない』。
黒いモノが襲いかかって来ても、抵抗の一つもできやしなかった。

黒い何かが体に入り込んで来る感覚に、彼は声にならない叫びを上げた。
と、途端持っていた聖書が光り輝き、何かが黒いモノに向けて飛んで行く。
黒いモノは消し飛んだのだった。

やがてその何かは、人の形と化していった。

涙をボロボロこぼすシスターを見下ろす其れは、どこか光を帯びていて、神々しかった。
シスターは何度か瞬きをすると、袖で涙を拭いながら体を起こした。

一「神様……?」


そう呟く彼に、神と呼ばれた其れは頷いた。
一松は目を見開いて、すぐに地面にひれ伏した。

一「たッ、助けて頂いて、あの、あ、有難う御座います…!」

神「そう硬くならないで…?私は貴女を気に入ったのです」

一「……俺…いや、私を………?」

神「はい。貴女は誰よりも私の存在を信じていた…其れが嬉しかったのです。

貴女の願いを3つ叶えて差し上げます。
ですから、3つ目の願いを叶えた時、私に貴女の体を器として差し出しなさい」

そう言う神に、一松は不思議そうな顔をした。

一「器…?神様、何か困り事が…?」

神「ええ…今、人間界を見て回る際の器が足りていないのです。
ですから、貴女の体を差し出しなさい」

一「…、………わかりました」


一松は、神様を助けるつもりで頷いた。
勿論願いを叶えてもらうつもりなどなかった。

しかし、人生とは実にわからないもので…


後々一松は、この願いを使うこととなるのだ。
神様はそれを…見透かしていてのことだった。

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おそ松さんgirl(プロフ) - みくさん» ありがとう!頑張る!! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 面白いよ!更新頑張ってね! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 7f167612e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:松壱 | 作成日時:2018年5月20日 12時

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