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シスター、一松…
彼が生まれたのは、とある小さな街の、信教家だった。
其処の家に生まれたら、将来はもう決められたもので、
男なら神父、女ならシスターになる事が絶対だった。
が、そこは男兄弟ばかりで、一松の上にもう二人も兄がいた。
もう、神父は要らなかったのだ。
そうして、幼い頃一松が両親に告げられたのは、
『女として生き、シスターになれ』
だった。
一松は幼いながら、その意味をしっかりと受け止めた。
が、其の心の裏では反抗心も募っていき、
彼は二重の人格を持つようになる。
一つはシスター…女としての、もう一つは本来の自分…男としての、人格だ。
そうして彼はシスターとなった。
シスターになる事に対して、拒否権などあるはずもなく、彼は教会でせっせと働いた。
其の内に、下に二人の弟が生まれた。
其の二人もシスターにさせられていた。
其の二人は一松よりも出来が良く、両親にもよく褒められていた。
それに比べ一松はいつも、『出来損ない』と罵られていた。
そんな一松だったが、実は誰よりも賢く、誰よりも神を信じていた。
ただ人と関わる事が苦手というのが、彼の問題だったのだ。
彼はいつも聖書を持ち歩き、愛読書も其れだった。
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おそ松さんgirl(プロフ) - みくさん» ありがとう!頑張る!! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 1f58a69c9c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 面白いよ!更新頑張ってね! (2018年6月3日 23時) (レス) id: 7f167612e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松壱 | 作成日時:2018年5月20日 12時