奇跡の子【SnowMan】 (ページ2)

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「いったぁっ…！」

雪ラウールは道のど真ん中でしたたかに転んでいた

「何すんの！」
「ごめんって！いつものことだろ〜？」

雑鬼たちが足を引っ掛けたかである

「もう！出仕初日なのに直衣汚れちゃったじゃん！」

雪ラウールは生まれたときから雑鬼や妖怪などとした親しく育った

「照に直してもらえよ！」
「ぜってぇ怒られねえだろ、ラウールなら」
「まぁそうだけど…」

雑鬼と話しながら帰り着くと門の前で深澤が待っていた

「らう〜？大丈夫だった！？」

心配ないのあまり門の外で待っていたのか掴みかかるのをやんわりほどく

「もう、ふっかさんは心配しすぎ。僕もう15才だからね？」
「自分の子どもはいつまでたっても心配なの！」

ラウールを連れ立って門に入る深澤はラウールの育て親の一人だ

もう一人は。

「らう、おかえり」
「ぱぱ！ただいま！すごく楽しかったよ！」
「おー！そうかそうか」

修行の後なのか上裸で目を細める岩本である

ふたりともラウールとは血が繋がっていない
それをラウールは知っている
でも

「まま！お腹すいた〜」
「唐揚げあるよ〜」
「良かったな、らう」

彼らは家族である

それも普通の一族ではない

「あとで式神のやり方教えて！」
「あとで料紙もってきな」

普通の家庭に式神などと云うワードはでない

彼らの職業は

「ほんじゃ、陰陽寮に無事初出仕、おめでと〜！」

陰陽師、である