#07 ページ7
今日は本当に久しぶりすぎる、
柴田と2人だけの日。
なんだかんだこれまでカップルらしいことをしてこなかった気がするから、すっごく嬉しい。
し「...なあ、A？」
夕日が傾きだし、
私たち2人のいる部屋を明るく、そして朧気に照らしている。
柴田の顔が、夕日の影響もあってか、
いつにも増してりんごみたいに真っ赤だ。
目線を泳がせ、俯きながらそわそわして、
明らかに落ち着きがない。
この状況だからただ事ではないことが明快である。
「ん〜？柴田どうしたの？」
平然を装いながら聞いてみる。
なるべくポーカーフェイスで、悟られないように...。
良いニュースなのか、はたまた悪いニュースなのか。
まさか、布団におもらししたとか...？
The・野生児柴田ならあり得なくもないだろう。
私の大好きな杏仁豆腐食べちゃったとか...？
普通は怒りが込み上げてくるんだけど、
柴田だったら許しちゃうかな。
...まさかとは思うけど、別れ話じゃないでしょうね？
し「俺たちの大学生活ももう折り返しやん？だからさ、もしAが良ければ、一緒に住まん...？」
「...はい？」
し「だーかーら！同棲しようっつってんの！！」
顔から火が出そうなくらいの恥ずかしさに
思わず柴田に抱きつき、顔をうずめる。
「うん！もちろん！...びっくりした〜！また良からぬこと言うかと思った」
し「なんだよそれ！俺がいつも良からぬこと言ってるみたいに聞こえるじゃねーか！！」
「言ってるやん、いつも。笑」
嬉しすぎて、楽しみすぎて、
柴田と毎日一緒にいられると思うと
今までのことなんてちっぽけなことのようにすら思えてきてしまう。
それくらい、惚れてるんだろうなぁ。
＿＿こうして私たちの同棲生活が幕を開けた。
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作者名：#Love | 作成日時：2020年10月24日 20時
