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会場に着くなり、私は呆然としてしまった。
「この人たちの中から柴田たちを見つけろっていうの!?」
人が多すぎて、その場に立ち尽くしてしまう。
本当に馬鹿な話なのだが、
今日に限って私は携帯を忘れてしまった。
だから連絡するにもできないし...。
「...うわ!」
いきなり体が動いたと思ったら、
手を引かれて会場とは反対の方へと連れていかれる。
見上げると、そこには
「柴田!」
会いたかった人がいた。
し「めっちゃ探したんだけど。やっぱAは迷子になると思ったわ」
「うぅ、面目ないです...」
し「それより、Aめちゃくちゃ可愛いんだけど!」
「...そう?ありがと」
まんざらでもないかなって思いながら
くるりと一回転してみせる。
し「まじで独り占めしたい!誰にも見せたくない!」
なんか1人で葛藤している柴田。
「大丈夫だよ、私は柴田のものだから!」
そう言うと、勢いよく抱き付いてくる。
し「......ほんとに?じゃあ俺のものって印ね」
顔が近づいてきたと思ったら、
首が少しだけちくっとした。
し「はいできあがりー!」
「......ちょ、ちょっと!今やらんでもいいやん!」
私の首に、柴田の赤い印が付いた。
し「そろそろ戻るか」
「......うん」
なんだかさっきから
柴田のペースに完全に巻き込まれてる。
まともに顔が見れない。
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作者名:#Love | 作成日時:2020年10月24日 20時