現実に監視されている以外は普通に零の兄貴です。「名探偵コナン」

四話 ページ5

問題なしと先生に背中を押されてからもう30分が経とうとしている。

なんとなく分かった事は、主人公たちが何かしでかした(事件)時やそれぞれのメインキャラに何かあるとコメントが荒れるという事だ。

すっごく迷惑極まりない！ 昔みてたファンタジーアニメでは空中で色々と操作できる機能があったみたいだけど、違和感は凄いんだろうな。

って、ここは警察署？ そう言えば零って警察官なんだよなぁ。 いまもここで働いてるのかな？

それか外で巡回かな？ それともお偉いさんで色々と指示してるのかな？

「あの警視庁に何かようか？」

スーツにサングラスの天然パーマな男の人に話しかけられたついビクリとしてしまった。

「あっいえ、身内が警察官なものでつい気になってしまって」

「もしあれなら呼びに行きましょうか？」

怪しいものじゃないと思ってくれたのかどことなく口調も柔らかい……気がくる。

「あぁ！ そんな！ 大丈夫です！ すみません」

焦って逃げたけど、なんだろう。 すっごく視線が――

ｶﾞｼｯ

「ごめんな、お兄さん。 一応、俺も警察官だ。 ちょっと職質させてくれよっと」

やっぱり警察官だったんだ。 やっぱりそりゃ、慌てて戻ろうとすれば怪しまれるよね……

「んー、怪しくないです」

「ならすぐ終わる」

ド正論で返された。 まぁ、これといって大事な用もないから良いかな。

職業は無し。 うん。 自分で言ってて悲しくなる。 仕方ないだろう。 自分の持病の事を話すとどの会社も面倒事だのなんだの言って受け付けてくれないんだ。

なにで食べてるかって？ 聞かれてないけど答えるのが俺だ。 趣味で描いてる絵で食べてるさ。

名前は降谷Aで……

「降谷？」

え、降谷です。 え、なに降谷の何が原因でオウム返ししたのかな……

「あぁ、なるほど。 そういう事か。 それならその顔のつくりも納得だ」

「おーい！ まっつん！ お待たせ！」

今度はまた誰！？ 警視庁の入口から出てきたのは、今度はロン毛のこれまた個性的な方だ。

「あの、帰っても？」

そう問えば、職質の内容も全部だったらしく、返してもらえた。

念の為と最後に電話番号を書かされたのは少し気に入らなかったかな。 必要ならちゃんと項目あるはずなのに余白に書けって……ちょっとよく分からないよ。

それにしても朝から色々とありすぎてお腹すいたなぁ。 久しぶりに梓さんのご飯でも食べに行こうかな？

「ふふっ楽しみだなぁ」

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