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ごそ、ごそり。
寝室からは静かな物音が耐えない。いかに寝相が悪いかが伺える、こういう場合一度顔を見に部屋に入った方がいいのだろうか。

碧棺左馬刻は、生憎最近の子供への対応は知らない大人だ。思考を初めて数十分は経過しているであろうこの無駄な時間で一日が喰い尽くされる感覚。


(あ゛ー…クソ。)


そういえば今夜は組の会合があるのだが、この場合どうすればいい。餓鬼の看病と組の会合、優先順位は明らかに明確、という訳ではない。この子供が、目を離した内に逃げ出してしまう可能性だって多少なりともあるのだ。

特に、この餓鬼ならやりかねない。



何とも言葉で形容し難い話だろう。軽い気持ちで引き受けてしまった事を、正直いま、とても後悔している。
虐待から生まれる面倒事がさらに事を大きくして彼に纏わりついているのだから。

身体に付いた痣よりも、深い傷が潜んでいる。

怪我に、触れてはならない。痛む。悪化する。治りは、延長していく。


「無理だ」

思わず口に出して呟いた。彼を襲う面倒事を解決するのには、己の脳味噌では足らない。今、確信した。
そして、あの子供の事だけではなく、頭の内にある他事も全て放る。



餓鬼、

はやく目を覚ませ。お前の腹のうちにある鬱憤を全て晴らせ。素直になる事を覚えろ。自分の価値を見出せ。逃げる事も覚えろ。耐えるばかりじゃなくていい。

お前が動かなきゃ俺様も動いてやれねえんだよ。

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作者名:るてこ | 作成日時:2018年12月22日 16時

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