Walking with you 3 (ページ37)

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“アジソン病”

難しい病気だ。

よりによって、それを患った人がこの密室に閉じ込められるとなると、かなり深刻な状況になってくるぞ。

現に彼は、精神的なストレスにより、もともとあった体調不良を急激に悪化させており、薬も持ち合わせていないのだから、細心の注意を払わないといけない。

｢──め、飴！なんでもいいから栄養与えて！｣

二宮さんのお知り合いの方のスマホから漏れた声。

そうだ、低血糖も起こしてるし、起き上がれそうもない彼には飴が最適だ！

そう思い、近くで心配そうに見守る、おふたりに声をかける。

そうすれば、ADさんのバッグから数種類の飴玉が出てきて、ありがたく頂戴し、二宮さんに舐めさせる。

今度は、あっという間に下がってしまった体温に、危機感を覚え、布はないか！？と聞き出す。

そうすれば、二宮さんがキャリーケースを指さし、そこを覗けばこの季節にはまだ早すぎるベンチコートがでてくる。

それを肩までかけて、その上から数人がかりで身体を摩る。

少し経つと、焦った感じが取れ、落ち着いた呼吸に戻ってる二宮さん。

時刻はもう、夕方の5時を回ったところで、小腹がすいてくる。

そんな時、脚の長さがバグったさわやかイケメンさんが、｢これ、みんなで食べましょ！｣と明るく笑い、みんなに配り始める。

その頃には、二宮さんも身体を起こせるくらいにまで回復し、みんなで地べたに座りながらお弁当を頂く。