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｢はぁっ、、はぁっ｣
胸が痛くて目が覚めた。
嘘をついた時のあの痛み方とは全く違って、呼吸をする度に重く鈍く痛む。
痛くて、横へ体勢を変えると、肺がゼロリと音を立て、噎せたように咳き込む。
口の前に持ってきた手に、自分の熱い息が吹きかる。
実は昨日、朝から体調が悪くて、でも休む訳には行かなくて、結局最後の授業までがんばって受けることに。
その無理がいけなかったのかな。
｢にねんさんくみの、にのみや、かずなりです、、っ、、風邪をひいたので、やすみます｣
こんな状態で学校には行けそうになくて、とりあえず、電話だけしておく。
｢担任の原田です。風邪ごときで休むなんてそんなの甘えですよ。それに少年院に長くいたんだから、ここで頑張らないとですよ。待ってますからね｣
事務の人からの応答がないもんだから、しばらくそのままで待っていれば、担任が出て、そんな嫌味を言われる。
待ってますなんて言われたら行くしかなくて、ゆっくりと制服に着替え始める。
着替え終わると息が上がっていて、胸の痛みも少し強まったような気がする。
ご飯を食べてる時間はなくて、歯だけ磨き、歩いて登校する。
ひ弱な気管支はひーひーと軋み、肺の奥では分泌物がゴロゴロとしている。
これ、相当な風邪だ。
数メートル進んでは足を止め、数メートル進んでは足を止め、、の繰り返しで、やっと学校に辿り着く。
階段もかなりキツくて、登りきった頃にはゼーハー言ってて、その勢いで吐いてしまいそうになった。
HRはもう始まってるんだけど、体調の悪さが悪化する一方で、トイレから出られなかった。
そうすればスマホが鳴って、画面を見れば高校の名前が。
｢実家に電話しますよ？そんな生活態度じゃ一般の人になるには程遠いですよ。早くこっちの世界に慣れないと！？｣
実家なんてワード出されたら教室に行くしかなくて、便器から顔を離し、洗面台で、熱を覚ますように冷水で顔を洗い、教室に向かう。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月25日 14時
