・ ページ31
｢けほけほっけほっぇほっ、あーばさ、、けほっ、きもちわるい、｣
動悸が酷くて、それが気持ち悪くて吐いちゃったと言う彼。
四つん這いの状態から動けてなくて、両手には嘔吐物が大胆にかかっている。
｢にの、大丈夫だよ、大丈夫だからね｣
なんの根拠もない“大丈夫”。
動揺して何も出来ない俺は下に向かって叫ぶ。
｢どーした？｣
酔い気味だけど、しっかりとした口調で聞いてくる翔ちゃん。
ニノを見た瞬間にテキパキと指示を出し始める。
｢雅紀、大丈夫大丈夫、ニノは何とかするから、｣
動揺して正気じゃない俺にそう声をかけ、
｢にの、きついなぁ、手、拭いたあとに洗面所でうがいしようね｣
ニノに優しく声をかけながら、背中を摩ってる。
｢だいじょぶだよ、あいばさん｣
あの後、唯一お酒を飲んでない俺が運転することになり、病院へ連れていった。
その頃にはだいぶ精神も安定してて、安全に彼を送り届けることが出来た。
そして今、なかなか終わらない点滴で、日が昇り始めてる薄暗い病室の中、俺が心配で眠りにつけない彼が、優しく手をスリスリしてくれる。
｢ごめん、病人に心配させるなんてことして｣
｢いいの。なんかあったんでしょ？、｣
どれだけ弱っても、人の事ばかり心配するこいつ。
永遠に摩る手を止めなくて、、それが気持ちよくて目がとろんと垂れる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
賞味期限(プロフ) - 傘さん» ありがとうございます😢🫶🏻頑張ります✊🏻 (2022年9月11日 14時) (
レス) id: e5602ed7e0 (このIDを非表示/違反報告)
傘 - 書き方や内容が好きです！これからも自分のペースで頑張って下さい！ (2022年9月11日 12時) (レス) id: e177d1457e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年9月5日 18時
