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｢んふふ、｣
｢ふふっ、、ｯ、、｣
｢にのっ！｣
いつもみたいに5人だけでエレベーターに乗って、楽屋に戻る最中だった。
降りた瞬間、後ろで聞こえてた楽しそうな笑い声が消えた。
兄さんの珍しく大きい声。
前を歩いてた3人で一気に振り返れば、地べたに横たわっているニノと、ニノの頭を何とかキャッチしたような兄さん。
｢兄さん、代わるよ？｣
ニノの頭を掬うように、兄さんの手の下に俺の手を入れる。
急に負荷がかかった兄さんの手。
痛そうにプラプラしてる。
きっと、ニノがものすごいスピードで倒れていったからなんだろうね。
って、1番非常事態な彼の顔を覗けば、少し早い呼吸を繰り返してて、眉にはシワが寄ってる。
｢ニノ、どうした？気分悪いか？｣
そんなニノに松潤が冷静に声をかけていて。
｢貧血じゃない？吐きそう？｣
と相葉くんもそれに加わる。
｢だいじょぶ、ただクラクラするだけ。｣
目もまともに開けられないのに、起き上がろうとする彼。
手が急に軽くなるから、慌てて、支えるように、今度は背中に手を入れる。
｢起き上がるのはギリ良いけど、歩くのはやめといた方がいいんじゃない？｣
｢やだな、大袈裟な。エレベーターのあの感覚がまだ抜けなくてクラクラしただけ。もうだいじょぶよ？｣
恥ずかしがりながら立ち上がるニノ。
一瞬苦しそうな顔をしたものの、さっきのように倒れることはなく、みんなに謝りながら歩き出してる。
置いてきぼりにされた俺と兄さんは、言葉では何も言わないものの、目で｢だいじょぶかな？｣と会話する。
心配されることがあまり好きでは無いニノ。
前を歩く松潤がニノの目の下の色を確認したり、相葉くんが優しく頭を撫でてるし、俺らが何とかしようとしなくてもしばらくはだいじょぶそう。
｢あれ、俺らには真似出来ないよね笑｣
｢だね、俺、松潤みたいにあんなナチュラルに目の下の色確認できないわ笑｣
｢確かに笑 俺も相葉ちゃんみたいにナチュラルに頭撫でられないな笑 せいぜいケツしか触ってやれないや｣
｢ケツって意味不明なんですけど笑笑｣
人が倒れても雰囲気が凍らず、和んでしまうグループ、他にはないと思うよ？
嵐でよかった、櫻井翔。
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作者名：賞味期限 | 作成日時：2022年11月27日 13時
