Walking with you 6 (ページ14)

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今日は土曜日。
兄弟がいるから大丈夫だろうということで
母親は働きに出た。

ドアが閉まる音がした瞬間に
布団からとび出て準備を始めた5人。

｢あれ、和、寝てなくていいの？｣

｢潤、早起きさんだねぇ。
友達ん家でも行くの？｣

髪を整えに向かった洗面所に
5人の兄弟が密集する。

それぞれが秘密を抱え、漏らさないよう、
黙々と準備を進める。

いつもはこなれた古着を着てセンスのいい服装をする雅紀が
チェックの、、いかにもオタクが着てそうな服を着ていることに
違和感を感じた潤と和也。それでも、グッとこらえ、相手の様子を探る。

｢やっぱ、オタ活だね(笑)｣

2人で目を見合わせ、ニヤリと口角を上げる。

なんとか会場まで着いてこれた双子ちゃんたち。
後ろの方で兄たちをじっくりと観察する。
これには登場したアイドルたちも、
自分目的じゃないのか？と驚いてる様子。

｢まさにぃ、筋肉でできてるから、オタ芸、人一倍すごいね｣

苦く笑いながら隣の和也を見る潤。

｢和っ？どーしたの？｣

和也は同じ目線には居なくて、、
頭を抱えながらその場にしゃがみ込んでいた。

潤が優しく触れた和也の背中はあまりにも熱く、
鳥肌が立つほど、顔色の悪い横顔がチラッと見えた。

歌の演目は終わり、握手会に移行する頃。

大人のオタクたちの波に巻き込まれた2人。
やっと開放されたと思えば、
2人は少し離れたところに転がっていた。

｢和っ、、うぁぁぁあん｣

走って駆けつけ、泣き喚く潤。

｢大丈夫？｣

そこに駆けつけたのは、スタッフでもアイドルでもなく、3人の兄だった。