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｢私だけにある力って何？｣
｢向日葵さんは運動能力が上がっています。例えば、この縦に４つ並んでる机の上をジャンプしながら渡ってみてください｣
｢えー…、机の幅みて分かるじゃん…。こんなの無理だよ…｣
｢早く｣
｢う〜…｣
向日葵は息を吐く。
怖い…。
助走をつける。
もうやけくそだ！
一つ目の机に飛び乗った。
続いて二つ目。
気づいたときには、向日葵は机の上をトントントントンとジャンプしながら飛びうつっていた。
着地する。
｢すご…｣
向日葵は感激した。
｢限界は分かりませんが、それなりに高くは飛べると思います。後は足も速くなってるかと…｣
｢俺は？｣
松下は自分を指差す。
｢…松下さんは自分で気づいてください｣
｢アイツには教えたのに何で俺だけ｣
｢僕が言っちゃダメだと思うから…。松下さんは自分で気づかなきゃいけない…｣
｢…チッ。分かった｣
その時、ずっと聞こえていた悲鳴がピタッと止んだ。
｢…止まりましたね｣
本当なんだ…。
来の言ってたこと。
｢…あれ？何で、来は動けてるの？｣
私たち以外、動けないんじゃ…。
｢僕は動けます。でも…理由は言えない｣
やっぱり、来は謎が多い。
｢僕の姿は怪物にも見えないと思うので、ケガの心配はありません。二人が気を付けてください｣
どこかで窓ガラスが割れる音が聞こえた。
｢ここも危ないですね。広いところに出た方がいいですよ｣
向日葵と松下は図書室から出て、校庭に足を進める。
｢…松下｣
｢なんだ｣
｢今、あり得ないような事が起きてるけど…頑張ろ。私、お母さん達を失いたくないし｣
｢…分かってる｣
校庭に出た途端、背後から大きな物音がした。
急いで振り返る。
そばに立っていた来がボソッと呟いた。
｢怪物だ…｣
あれが…私たちが倒さなきゃいけない奴！？
続く
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作者名：みあゆい | 作成日時：2019年12月5日 12時
