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あれから、一週間が経った。

來夢は食欲もなく、眠れずにいた。

常に頭の中にカゼがいる。

カゼのあの独特な雰囲気を感じていたい。

一人も嫌だ。

全く寝れないので、睡眠薬を飲んだりもした。

ビンには、効果抜群と書いてあった。

なのに、來夢は一時間しか眠れなかった。

だから、大量に飲んだ。

だが寝れず、病院に行くが睡眠薬の服用を医者に止められてしまった。

目の下には濃い隈ができ、体重も三キロ減った。

このままじゃ、死ぬ。

カゼに会いたい…。

「…よし!」

來夢はフラフラと立ち上がり、倒れそうな体で大家さんの部屋へと向かう。

チャイムを押す。

大家さんはすぐにでた。

「大家さん」

「來ちゃん、その隈どうしたの?」

大家さんは心配してくれた。

來夢は笑う。

「昨日、徹夜だったので。大丈夫ですよ」

「そう?よかったわ〜」

「大家さん、俺、今日家出ていきます。ありがとうございました」

ペコッと頭を下げる。

大家さんはいきなりで驚いたようだった。

「今日?」

「はい、今日です」

來夢は「もう行きますね」と自分の部屋へと戻った。

後は…。

ごみ袋を棚から取り出す。

全部…一つも残さず捨てる。

自分の所持品もごみ袋にいれていく。

何もかも、部屋の中にあるものも全部。

全部。全部。全部。全部。

全てごみ袋につめ終わった時には、午後の4時になっていた。

四時間ずっと…この作業をしていたんだ。

來夢は二袋両手に持ち、外にあるごみ捨て場へと持っていった。

「あ、」

來夢はあることに気がつき、呟く。

「分別忘れてた…。ごめんなさい」

それから何往復かしてようやく全てが終わった。

「決めたんだ…」

カゼに会いに行く。

表の世界の生活全て捨てて、裏の世界に行くんだ。

來夢は何とか、カゼに会いに行くという強い決心で、今立てていた。

一瞬でも気を抜くと、もしかしたら倒れてしまうかもしれない。

行ってやる!!

きっと、カゼは怒るかもしれない…。

來夢は裏の世界の入口、扉を目指して歩く。

建物と建物の間に細い道がある。

薄暗い道。

その細い道に入っていくと、あの時の扉が佇んでいた。

扉を開く。

來夢は裏の世界へと入っていった。

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作者名:みあゆい | 作成日時:2019年12月6日 17時

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