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道がゴツゴツとしている。
歩きにくい。
カゼは來夢の先を歩いていた。
遅れないように…。
「わっ」
つまずいた。
バランスを崩すが何とか倒れずにすんだ。
カゼに遅れをとっちゃダメだ…!
來夢は足を進めた。
今俺たちは、カゼのお父さんの会社をめざしてかれこれ5時間以上歩いている。
足が痛むがそんなことは言ってられない。
カゼがどんどん先を進んでいくから。
「はぁ…はぁ…」
少し坂になってきた。
「休憩するか」
カゼが振り返った。
息一つきれてない。
「…でも、カゼは疲れてないし」
「來夢が疲れてるだろ。休憩挟まないと、後から足手まといになる」
「…そうだね」
心の中で『ごめん』と謝る。
声に出して言うのは何か違う気がした。
「座っとけ。食べ物買ってくる」
「え、カゼも休んだ方が…」
「俺はいい」
スタスタと店の方へ歩いていった。
カゼ…、このままだとダメだと思う。
困惑してるのかも知れないけど…だけど…。
「來夢、はい」
カゼが戻ってきた。
サンドイッチを買ってきたようだ。
受け取り、一口かじる。
みずみずしいレタスがシャキッと音をたてた。
「5分経ったら行くからな」
「…ん」
いつものカゼに戻ってもらいたい…。
じゃないと何かが変わるかもしれないから…。
だが、道中、最悪の事態が起こった。
夜だった。
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作者名:みあゆい | 作成日時:2019年12月6日 17時