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｢…ぁ｣
｢へ…？ん〜…｣
來夢は目をゴシゴシとこする。
何か聞こえた気がしたんだけど…。
体が痛い。
床で寝てたからだ。
｢ら、い…む｣
｢なに〜？｣
名前を呼ばれて來夢は返事をする。
そこでピタッと固まった。
諒さんはリビングで寝てるはず。
起きたのかな…？
部屋のなかを見渡すが諒の姿はない。
…もしかして。
來夢はバッと立ち上がった。
ベッドの上にいるカゼをみる。
その瞬間來夢の目からは涙がこぼれた。
カゼが…。
カゼが目覚めたッ！
カゼはうっすらと目を開けていた。
來夢に気づき、微かに口角を上げる。
｢らい、む｣
｢カゼぇ〜っ。よかったぁ、起きたぁ｣
來夢はカゼの目を見つめる。
｢バカ…っ｣
カゼに対してバカと言ったことはなかった。
だが、いつの間にかそう声にだしていた。
カゼは目を見開く。
｢バカ、だと？｣
｢何があったの…？カゼは何をしているの？死にかける思いをするほど危険なことをしているの…？｣
｢……｣
目覚めたばかりの人に言うことではない。
カゼは何も言わなかった。
俺には言えないんだ…。
｢…ごめん｣
來夢はうつむく。
｢ッ…｣
途端にカゼが起き上がった。
來夢は慌てる。
｢まだダメだよ！安静にしないと…っ｣
｢大丈夫。銃で撃たれたぐらいの傷だから｣
來夢はその言葉に声を張り上げた。
なにそれ…。
｢その銃で撃たれたぐらいの傷で死にかけたのはカゼじゃんッ！｣
｢…落ち着け｣
｢落ち着けないよッ！本当に心配したのに…何で撃たれた本人はそんな軽い感じで言ってるの？それじゃあ…心配した俺が、バカみたいじゃん…っ｣
｢軽い感じで言ってない｣
急にカゼの声音が変わった。
來夢は顔を上げる。
｢…來夢に話す。迷惑かけて悪かった。俺が、何してたか…全部話すから｣
｢え…いいの？｣
カゼはコクッと頷く。
カゼは口を開いた。
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作者名：みあゆい | 作成日時：2019年12月6日 17時
