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來夢が軽く睡眠をとっていると、外からエンジン音が聞こえた。
來夢はパチッと目が覚める。
え？
ドアを開けると、大きな車がとまっていた。
運転席には諒の姿がある。
車のドアが開いた。
｢ふー…。疲れたー｣
諒は來夢に気づくとニッと笑う。
？
｢必要なのは全部買ったよー｣
｢買えたんですねっ！？｣
｢そ。で、今から全部家のなかに運ばないといけないんだー。手伝って？｣
來夢はコクッと頷く。
諒は後部座席に荷物を押し込んだらしく、ギュウギュウに詰め込まれていた。
｢來夢くん、これ持っていってー｣
渡されたのは点滴だった。
｢はい｣
室内に運ぶ。
車輪がついてるのでコロコロと楽に運ぶことができる。
カゼのすぐ横に置き、車に戻る。
それの繰返しだった。
次々と渡され、自分達の部屋に運ぶ。
腕が…キツイ。
諒はため息を吐いた。
｢この一個で最後ー。これは俺が持つよー。お疲れー、來夢くん｣
｢あの…、俺、処置の仕方とか分からないんですけど…諒さん出来るんですか？｣
｢俺、元医者だからー。飽きてすぐやめたけどね｣
｢すごい…。そういえば、諒さんって何歳なんですか？｣
｢32だよー｣
｢っ！｣
カイと一緒…。
｢へ、へー…。若いですね｣
｢老けてみえてたのー？｣
｢い、いえ。それはないですっ｣
諒は指をポキポキと鳴らした。
｢さてとー…｣
諒はカゼの肩をみる。
横から來夢も覗いてみた。
わっ！
すごく痛そう。
それに…。
吐き気がくる。
｢貫通してるねー。これ｣
諒は來夢を振り返った。
｢來夢くんは部屋から出ててー。來夢くんあんまりこういうの見慣れてないでしょ。見ない方がいいよ｣
來夢は大人しく部屋から出る。
それから1時間後ぐらい経った時、諒が部屋から出てきた。
服に血がついている。
｢終わったー｣
｢カゼは…？｣
｢脈も安定してるし、大丈夫ー｣
諒はソファーに座った。
｢久しぶりの手術だったなー｣
｢医者、またやりたいと思いましたか？｣
｢ぜーんぜん。気力使うし、細々した作業がめんどくさい。イライラくるし｣
医者向きな性格じゃないなぁ。
來夢はパッとそう思った。
｢俺もう寝るー｣
｢おやすみなさい｣
今の時刻をみると『おやすみ』じゃない気もするが、來夢は一応言う。
諒はソファーに寝転んで目瞑った。
來夢は部屋に戻り、カゼの顔を見つめる。
早く起きて…カゼ。
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作者名：みあゆい | 作成日時：2019年12月6日 17時
