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「名前は?」

「…っ」

何も言わないでいると、カイの腕が伸びてきて來夢の肩をガシッと掴む。

…っ!。

「名を言え」

手に力が入る。

「痛…っ!」

思わず声に出していた。

「ら、來、夢…」

カイの顔は何故かにやけている。

「たまんねぇ…。何、今の痛みに顔を歪める顔…。最高…」

言葉づかいが変わってきた。

カイもつくっていたのかもしれない。

「32年間生きてきてよかった…って思える瞬間だな…。逸材だ」

この人…ヤバい人かも。

おかしい。

何かが狂ってる。

「よし、始めるか…」

「…え?」

何かを呟いたと思ったら、急に顔が近づいてきた。

口を塞がれる。

「んっ」

息が出来ない。

キスされてる。

気持ち悪い。

來夢の目に涙が溜まっていく。

ベッドの上に押し倒された。

顔が離れる。

「可愛い…。涙目ヤバ…」

やっと息が吸える。

來夢は思う存分に息を吸い込もうとするが、また顔が近づいてきたのに気づき抵抗する。

「や…っ」

なのに、相手の方が圧倒的に力が強かった。

カイは止めようとしない。

苦しい…。

キスされてるときどうやって息すればいいの?

やだ…もう、やだ。

服のなかに手が入ってきた。

「いやだ…ッ!」

「そうそう…。もっと抵抗して…。嫌がって…」

來夢が嫌がってるのにカイはお構いなしだ。

逆に興奮してるようにもみえる。

カイは來夢の耳に笑いを含んだ声で呟く。

「500万あげる」

「…ぇ」

「必要なんでしょ?」

500万あったら、きっと足りるだろう。

これでカゼは助かる。

俺が助けなきゃ…っ。

カイはクスッと笑い、來夢の腕に指を這わせる。

ゾワゾワときた。

嫌なのに…何この感覚。

來夢はギュッと目を閉じた。

その際、目に溜まっていた涙が頬を伝って流れる。

今やられてる現実をみていたくなかった。

―……―。

「はい。500万」

來夢は受けとる。

カイはスッキリとした顔をしていた。

それに比べて來夢は無表情で札束を握っている。

「また会えたらいいね」

來夢はペコッと頭を下げ、部屋を出る。

諒の家へと帰ってる途中、ドンッと知らない人にぶつかった。

「前見て歩けや!」

「ごめんなさい…」

ボソッと言い、また歩き出す。

諒の家に近づいてきた。

ピタッ

來夢は立ち止まる。

ポケットを上から撫でた。

札束が重く感じる。

俺は…。

來夢は顔を歪め声に出して泣いた。

俺は…っ。


無理矢理抱かれたんだ。

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作者名:みあゆい | 作成日時:2019年12月6日 17時

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