検索窓
今日:6 hit、昨日:26 hit、合計:115,655 hit

よん.初めての ページ27

『ごちそうさまでした。』


パンっと音を立てて、そう言う。

今の日本人はほとんど言わない挨拶だが、私には結構馴染みがあるのだ。

まぁ歌仙さんが「雅じゃない!!」とか言って本丸の全員にそうさせたんだけど…


歌仙「おや、乱。毎回ありがとう。」

『ううん、いつも美味しい料理を作ってくれるお礼だよ。』


この本丸のほとんどの刀剣は、食べ終わって挨拶をした後、食器をそのまま放置する。

それで、放置された食器を歌仙さん達が回収する…ってのがいつもだ。

だけど、毎回美味しい料理を作ってくれる歌仙さんと燭台切さん。

流石にお礼くらいはしないと、って思って、自分から片付けてる。


歌仙「……正面から素直に感謝の言葉を述べてくれるのは、君ぐらいだよ。」

『そっか。喜んでくれたなら何より。

…そうだ、これから暇だから、私に料理を教えてくれない?』


私だって女の子だし、二人の負担を少しでも減らせないか、と思ったのだ。

家事でも良いと思ったが…その中でも料理が一番大変だ。

人数はかなり多いし、彼ら自身もかなり料理にこだわってるから、一番苦しい仕事でもある。


歌仙「…どうしてだい?」

『少しでも二人の負担を減らせたらな、って思って。私に料理を教えるのは大変だと思うけど、いいかな?』


何せ前世でもまともに料理をした事がない。
厨も見た事がないくらいだ。

だから料理に関しての知識も全くない。

けど、二人に楽をさせられるなら…って思うと、頑張れる。


燭台切「本当にいいのかい?別に僕達は楽しくやってるから…」

『それでも大人数の料理を作るのは大変でしょ?戦にも出るし。

疲労を減らさないと、刀剣男士として戦えなくなるかもしれないからさ。』


皆のお皿を何枚も重ねて持ってくる燭台切さん。
私達の話をどこから聞いたか分からないが、構わず続ける。


歌仙「……じゃあ、取り合えず基礎から教えるね。」

『ありがとう。』


私ははじめて厨に立った。


***

『…こ、こんな感じでいいかな?』


基礎を徹底的に教わった後、試しに一人分味噌汁を作ってみて、と言われたので、やってみた。

味見もしたし、量もきちんと計った。だから大丈夫だと思うけど…


燭台切「…!美味しい!」

歌仙「…うん、初めてにしては上出来だ。香りも良い。充分、人前に出せるよ。」

『えへへ、ありがとう。』


二人から物凄く賞賛された。

やっぱり、笑顔を見ると、嬉しい。

ご.料理→←さん.初近侍



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
404人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです!演練2で女の子同士ではないでしょうか? (2018年11月17日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あすひ - 面白くて一気に読みました!これからも頑張ってください^∞^ (2018年10月10日 18時) (レス) id: 514ad356af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年10月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。